ちはやふる −上の句ー

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2016年3月19日〜20日付 日本興行成績第4位 1億7901万円。

 

末次由紀の「BE・LOVE」に2008年2月号から現在も連載中の同名漫画が原作の『ちはやふる −上の句ー』です。競技かるたに青春をかける高校生を描く少女漫ではあるものの、スポこんの要素を併せ持ったお話。2011年10月からはテレビアニメも放送されました。映画版は「上の句」公開のすぐあとの4月29日に「下の句」が公開、さらにその「下の句」の初日舞台挨拶で完結編となる「結び」が発表、「上の句」は4位、「下の句」は5位でしたが「結び」はシリーズ最高の3位になりました。

 

瑞沢高校に進学した真島太一は入学したての1年生・綾瀬千早がかるた部を作ろうとしているところを目撃します。実は彼は小学校の時、千早と新の3人でかるたをしていたのでした。しかし太一は現在かるたをしていなくて、高校でも別の事をしようと思っていました。ところが千早にかるた部に誘われ、大会に優勝したら一緒にする事を約束させられます。見事優勝したためにかるた部を始めますが、たった2人では部は認められないとの事。最低5人は必要との事から、弓道部に入ろうとしていたけど歌(百人一首など)が好きな事から強引に誘った大江奏、小学校からかるたをしていて全国大会で準優勝したこともある西田優征、クラスの秀才・駒野勉をスカウトします。こうしてなんとかかるた部を作る事が出来た5人は、全国大会という大きな目標を立てます。

 

上の句ではかるた部の創設から5人の絆が次第に深まっていく様子、ちはやの目標である綿谷新の現在の様子が描かれていきます。原作が少女漫画ではありますが、スポ根ものの要素がかなり大きいので男女問わず楽しめると思います。5人がそれぞれに個性的で見せ場もあり、それに実はちはやを追いかけてきた太一(勉強の出来は駒野よりも上の学年1位の上に家がお金持ち)ですがその想いを伝えられないという切ない恋愛要素が絡むという展開です。それにちはやがかるたを始めたきっかけとなる新がちはやのアイドル的存在で、太一は新とちはやが親密になる事をすごく怖れているという部分も、片想いという女の子の大好きな設定になっています。東京地区の全国大会常連の北央高校主将の須藤暁人だとか、濃い人物が沢山登場して飽きる部分もありません。原作を読んでないのでその比較はできないんですが、映画を始めて観た感想としては凄く面白い。基本的にラブコメ系は大好きなので、わたし的にはどんぴしゃでした。全く時間を感じさせない面白い映画です。

 

監督は小泉徳宏、出演は綾瀬 千早に広瀬すず、真島 太一に野村周平、綿谷 新に真剣佑、大江 奏に上白石萌音、西田 優征に矢本悠馬、駒野 勉に森永悠希です。

アトラクション 制圧

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2017年1月26日〜29日付 ロシア興行成績第1位 3億9427万ルーブル。

 

ロシア国内2番目の規模で、公開2週目の「XXX: The Return of Xander Cage」の約4倍の興行成績を記録したロシアのSFドラマ『ПРИТЯЖЕНИЕ』です。この映画の脚本は、2013年10月13日にモスクワの南部ビリュリョボで発生した暴動にインスパイアされて作ったのだそうです。この暴動は10日にロシア人男性が外国人と思われる男から殺されたという事件(目撃者は男性の婚約者だけでした)から、外国人労働者が沢山いる地区でのデモの際、容疑者が潜んでいると疑いのかかった青果市場を襲った事から暴徒化、380人が逮捕されるという事態になりました。映画はロシア映画としては4番目にIMAX 3D版も作られた映画となった、ランニングタイム132分の大作です。

 

ユリアは高校生の女の子です。お母さんは亡くなっていて、軍人のお父さんと2人暮らしをしています。彼氏のチョーマはワイルドな人で、より親密になろうとしているいい雰囲気です。流星群を見る事が出来ると多くの人たちが空を見上げていて、ユリアの友達スヴェタも屋上で流星を見ていますが、ユリアとチョーマはそれよりも2人でいちゃつく方がいいとの事で友達の部屋を借りました。突然空から巨大な宇宙船が飛来。多くの建物に衝突しながら町の真ん中で止まりました。その衝突にユリアたちのいたビルも巻き込まれ、ユリアは怪我を、スヴェタは亡くなってしまいました。軍は宇宙船に接近して宇宙人とコンタクトを取ります。テレパシーでメッセージが伝えられ、彼らは宇宙船を修理したら立ち去るといってきました。一方、友達を宇宙船に殺されたユリアはチョーマたちとともに宇宙人に復讐をするために立ち入り禁止の宇宙船のある地域に潜入します。そこで異様なスーツの宇宙人に遭遇したユリアですが、ビルが崩れて落ちそうになるところをその宇宙人は助けてくれたのでした。しかしチョーマたちがかけつけ宇宙人を攻撃し、宇宙人ははるか下に落下していきました。下に下りてみるとスーツだけが残されて宇宙人はいません。しかし死体が数体転がっている中の1体の傷が新しいのを見てユリアはそれが宇宙人である事を察知します。しかしチョーマにはそれを教えず、後で1人で彼のもとにやって来ます。

 

冒頭の落下シーンは凄いですが、基本的に派手なシーンはここだけです。宇宙人と人類との戦いものかな、と思っていたんですが、実はETみたいな、いい宇宙人と人間とのコミュニケーション(さらに男性の宇宙人と女性の地球人との恋愛要素もあり)を描くドラマでした。怪我を負っている宇宙人ヘイコンをこっそり病院に忍び込んで(医師がユリアと知り合いです)輸血を試みたり、地球の習慣や常識、食べ物や考え方など異なる環境に戸惑うヘイコンや、徐々にユリアとの距離が縮まっていく過程などが、結構丁寧に描かれていると思います。内容そのものは破天荒なんですが、中々楽しめると思います。ワイルドな彼氏だなあと思っていたら、公判からちょっと危険な存在になってきて、それが終盤に繋がるという展開や、ヘイコンの心の変化(これは反対に仲間の宇宙人からすると興味深いものだそうです)が人間らしいとか、ストーリーは先が気になって面白いです。序盤の始まり方やポスターなどから超大作みたいですが、思った以上に小粒な映画なので、その辺で肩透かしを食らう人もいるかも。

 

監督はFyodor Bondarchuk、出演はЮлия ЛебедеваにИрина Старшенбаум、АртёмにАлександр Петров、ХэконにРиналь Мухаметов、Валентин ЛебедевにОлег Меньшиковです。

江戸川乱歩シリーズ 大時計の美女

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昭和54年11月3日にテレビ朝日「土曜ワイド劇場」で放送された江戸川乱歩シリーズの第10弾です。原作は昭和12年1月から昭和13年4月まで雑誌「講談倶楽部」に連載された『幽霊塔』。これは翻案につぐ翻案でオリジナルからずいぶんと変更されてほとんど乱歩オリジナルのようになった小説です。もともとはウィリアムスンの「灰色の女」を黒岩涙香が「幽霊塔」のタイトルで翻案、さらにそれを乱歩が自分のスタイルで翻案したものです。

最近時計塔に越してきた児玉丈太郎は、毎夜現われる幽霊に悩まされていて、とうとう明智小五郎に調査を依頼します。幽霊が恐ろしいのもありますが、誰かのいたずらかもしれない、しかも時計塔には丈太郎の祖父の莫大な財産が隠してあるといわれているので、それを狙っている人物の仕業かもしれないのです。明智がやってきた夜も幽霊は現われます。それを追って墓場まで来たとき、一人の女性にであいます。そして幽霊が残していった服は、児玉家のお墓にかかっていて、となりには「和田ぎん」という名の新しいお墓もありました。和田ぎんは2年前にこの時計塔に住んでいてころされたお鉄ばあさん(丈太郎のおばあさん)を殺した罪で有罪になりましたが、牢屋の中で病死していました。
数日後、お鉄ばあさんの顧問弁護士をしていた黒川弁護士の紹介で野末秋子という女性が丈太郎に紹介されます。秋子が死んだ和田ぎんによく似ているので驚いたのですが、黒川弁護士は別人だといいます。黒川弁護士は和田ぎんの遺体を確認していたのでした。しかし秋子の左腕にはめているブレスレットは、ちょうど和田ぎんがお鉄ばあさんに、死に際手首を噛まれたところと一致するのです。偶然にしてはあまりにおかしいのですが、確信は持てません。
彼女は古い時計に非常に興味を持っていて、ひょっとしたら止まっている時計をなおせるんじゃないかということでした。早速家に向かいますが、女性に手の早い丈太郎は早速口説き始めます。秋子は紛失していた鍵の在り処を見つけ、時計塔の時計を動かすことに成功します。そのころ、以前時計塔に通っていた大工の娘で一時期丈太郎といい仲だったアケミという女性がやってきます。アケミは丈太郎に慰謝料を請求しようとしていました。そして中々財宝が見つからないためにもう愛想がつきていた丈太郎の妻・夏子も何とか丈太郎からお金を巻き上げようとします。そして秋子も財宝を狙っている一人だとして警戒をはじめます。
明智は、時計塔で働いていたお手伝いを探すのですが、働いていた店にはもういませんでした。しかし一緒に働いていたという友達がいたのですが、なんとそれはアケミだったのです。妻の夏子は秋子とアケミを引き合わせました。そして秋子の正体を探ろうとしたのです。アケミは秋子のことを時計塔で働いていたお手伝いと証言しました。秋子はその場を立ち去りますが、アケミが後を追いかけました。慌ててみんなも続きます。しかしその後、アケミが死体で発見されたのです。犯人は秋子なのでしょうか。そして秋子の正体は? そしてさらに秋子の真の目的は?

といったお話です。もともと原作には明智は出てこないので妙に浮いた存在になっています。幽霊が出るというだけで調査に乗り出すのも、今までと比べると変ですし、実際殺人がおきるまでずいぶんと時間が経ちます。それまで殺人もない事件の調査を続けているんです。まあ、明智ものに変更したからしょうがないですけど。秋子役には結城しのぶ。この人は謎の女役をすると本当にはまります。どこか陰のある、という感じがほんとあってますね。
事件自体はそんなに複雑なものではないんで、比較的早い段階で事件の真相はわかってしまいますが、このお話は幽霊話をからめたこの怪奇な内容や雰囲気を楽しむのが正解です。財宝の在り処を示す暗号のような、呪文のような言葉まででてきますから。ドラマ版では財宝への入り口が開いてからすぐに財宝がありますが、原作では入り口からさらに地下迷路になっている通路を奥へ奥へ向かってようやくたどり着きます。そして財宝に眼がくらんだ登場人物の1人は最後閉じ込められてしまうのです。これは怖いラストでした。財宝の在り処を示す言葉ですが、その扉を開く条件の一つに雷が落ちるというのがありました。さすがに時計塔に雷が落ちたら扉が開く、というのはちょっと現実的じゃないというか無理じゃないかな。そんな矛盾点も大きく包んで楽しむのがいいかと思います。

 

監督は井上梅次、出演は明智小五郎に天知茂、野末秋子に結城しのぶ、黒川弁護士に根上淳、児玉丈太郎に横内正です。

七人の侍

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昭和29年4月26日に公開された日本映画の最高傑作。監督は世界の黒沢明です。シナリオや映画のワンシーンひとつひとつに徹底的にリアリティをこだわり、綿密な時代考証も含めて非常に高い評価を得ています。後の多くの映画にものすごい影響を与えた映画です。上映時間207分と、3時間を越える大作のため、映画館では前編と後編にわけられていてその間に5分の休憩時間を入れるという方法を取っています。その間休憩と言う文字が画面に出ていて、音楽だけがかかっていました。ベネチア国際映画祭に出品する際、160分に収まるように再編集されたバージョンがあります。単なるカット版ではなく、監督自ら編集していくつかのセリフは新規アフレコ、オリジナル版で未使用の音楽の多用使用などがあります。この後このバージョンが海外及び日本(逆輸入)となり、反対にオリジナル版が見られないという状況になってしまいました。短縮版では菊千代をメインとした流れになっています。

荒れた戦国時代のとある農村が舞台です。戦に負けた武士たちが盗賊と化して(野武士です)村を襲って食料や女性を奪うという非道が日常的に行われていて、その村ではもう後が無い状態でした。このままでは自分たちも死ぬしかない。そんな時利吉という若い百姓が侍を雇って戦うべきだと主張します。みんな笑い飛ばしますが、長老と呼ばれる老人は昔村が侍を雇って野武士と戦うのを見たことがあるといいます。そして侍を雇うことになりました。代価は米。
町にでた利吉、茂助、万造、与平の4人は侍を見つけてはお願いをするのですが、全て断られてしまいます。そんな時、強盗に人質に取られていた子供をお坊さんに化けて救い出す勘兵衛を見ます。4人は勘兵衛にお願いをします。勘兵衛は無理だと断ります。話を聞いたところ最低でも侍が7人は必要だと言うのです。しかしそれを聞いていた宿に泊まっていた人足が、侍の身勝手さと百姓の現状を説きます。それを聞いて勘兵衛は心を動かされるのです。
先程の戦いぶりを見ていて弟子に入りたいと申し出てきた勝四郎と一緒に他の助っ人の侍を探すことになりました。勘兵衛の人柄に惹かれたという五郎兵衛、かつての仲間・七郎次、真面目なのか不真面目なのか分からない平八、恐ろしいほどの剣の達人・久蔵が仲間に入ってきます。そして最後に仲間に入ったのは、どう見ても侍ではないのですが、侍と言い張ってついてくる菊千代でした。
7人だけでは勝てないと考えた勘兵衛は、まず農村をひとつの要塞として守りを固めることにします。深い掘をつくり、バリケードを築きます。そして農民にも竹やりを持たせて戦いの練習を始めるのでした。

ここまでが前半です。後半は30人位いる野武士の数をどうやって減らすかという事をやっていきます。敵には火縄銃があるので、まずそれを奇襲して奪います。そしてわざと警備の手薄な部分を作ってそこにおびき出し、少人数にさせて数を減らしていく方法を取ります。長期戦になりそうな様子になり、勘兵衛は農民の体力の消耗も考えていよいよ最終決戦に踏み込むのでした。このように数が多いとはいえ戦を知らない農民とたった7人の侍が、30人を越える野武士の軍団に勝つためにはどうすればいいのか、をリアリティに描いています。相手は戦を生き抜いてきたんですから、やっぱり強いです。それに若い武士勝四郎と村の娘・志乃との恋愛があるんですが、当時の農民の娘と武士では結ばれることはありません。これにも悲劇が待っています。そしてラストの最終決戦はものすごい迫力。本当に馬から落馬したり、豪雨の中での迫力満点の戦シーンは、今見てもすごいとびっくりするような映像です。当時なんか目が点になったんじゃないでしょうか。当然CGなんか使ってないですからね。

島田勘兵衛に志村喬、菊千代に三船敏郎、岡本勝四郎に木村功、利吉に土屋嘉男、志乃に津島恵子。そういえば時代劇で人を斬る時のザクッっていう音、あれを一番最初にやった人が黒沢明です。『用心棒』という映画で初めて使われました。この映画は昭和36年なので、『七人の侍』の時には人を斬る時の音はありません。この映画には沢山の有名人が影響を受けていて、フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグなどが師と仰ぐほどです。特にスピルバーグは、撮影や製作に行き詰ったときには必ずこの映画を見るのだそうです。

2018年6月1日〜3日付 全米映画興行成績 Top 5

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2018年6月1日〜3日付の全米映画興行成績 Top 5です。

 

今週末全国規模で公開された新作は2本。その中で最大規模3015館で公開された『Adrift』は「ダイバージェント」のシェイリーン・ウッドリー主演の漂流から生環した女性の実話を基にした映画。1160万ドルで3位になりましたが、数字としては低いものです。製作費が3500万ドルですのでそれは越えそうですけれど。続く2032館で公開された『Action Point』は死亡事故が相次いだ実在した危険な遊園地を描くコメディ。こちらは1900万ドルの製作費でオープニングは239万ドルの9位でした。

全体では「Solo: A Star Wars Story」が2週連続No.1でしたが、先週から65%落ちの2939万ドルと2週目にしては随分と落ちてしまいました。トータルで1億4898万ドルなので、2億ドルを越えるかどうかですが、物価の差を考えて2000年以降のシリーズと比較すると、一番低い「エピソード2」でも3億ドルを越えているので(2008年の「クローン・ウォーズ」は番外とします)ちょっと大きな問題になりそうです。

スタジオ別では「Deadpool 2」の大ヒットで20世紀フォックスが2位に浮上していますが、1位のディズニーは遥か先をいくという大差はそのままです。3位のワーナーにちょっと差をつけた感じ。ワーナーは特に大ヒットというのはないですが、公開本数で数字を集めました。4位のユニバーサルは「Fifty Shades Freed」が全体を引っ張っているようですが、この映画自体がシリーズの中では良くないので6月22日公開予定の「Jurassic World: Fallen Kingdom」まで辛抱です。

 

1(1) Solo: A Star Wars Story 2939万ドル

2(2) Deadpool 2 2317万ドル

3(-) Adrift 1160万ドル

4(3) Avengers: Infinity War 1050万ドル

5(4) Book Club 703万ドル

 

さて来週ですが、全国規模での公開を予定している新作は2本。4000館以上で予定されている『Ocean's 8』は「オーシャンズ11」をオール女性キャストでリブートしたもの。サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボトム・カーター、ダコタ・ファニングといったキャストです。監督はゲイリー・ロスですが、前シリーズのスティーブン・ソダーバーグもプロデュースで参加しています。2000館で公開を予定しているアクション・スリラー『Hotel Artemis』は近未来を舞台にホテル・アルテミスと呼ばれる犯罪者の為の秘密病院を舞台にしたお話です。おそらく「Solo」は1500万ドル程度になりそうなので、7000万ドルの製作費をかけた『Ocean's 8』が豪華キャスト効果も含めての1位になるでしょう。

ネクロフォビアの主人公の周りで起こる連続殺人 『Necrophobia』

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2014年のファンタスティック・フェストに出品されたアルゼンチンのホラー『Necrophobia』です。
ネクロフォビアというのは死や死体を病的なほど極度に恐れる病気の事です。監督は2004年の「Jennifer's Shadow」でやっぱり死んだ双子の姉妹の片割れが恐怖の体験をする物語を作ったDaniel de La Vega、音楽は70年代から80年代にホラー映画のサントラで活躍したClaudio Simonettiです。この人はゴブリンというイタリアのプログレッシブ・ロック・バンドにいた人で、このバンドは「Profondo Rosso」「Suspiria」「Zombi」といった映画のサントラで有名です。キーボード担当のクラウディオ・シモネッティはソロで1985年の「デモンズ」(Dèmoni)のサントラも手がけました。

ダンテはネクロフォビアの恐怖症を持っている仕立て屋です。死体のそばに近づくと彼は意識を失ってしまうのでした。一卵性双生児の兄弟の死をきっかけにそれは酷くなっていきます。トーマスの葬式の時、彼は極度の恐怖に襲われ誰かが彼の後をついてくると信じるようになりました。こうして彼の精神状況は不安定になっていきますが、そんな時彼に近い人たちが次々に恐ろしい方法で殺され始め、ダンテは誰かが自分に罪をきせようとしていると考えます。しかしこの殺人の背後にある真実を発見するためには、彼は自分のこの恐怖症を克服しなければなりません。

監督はDaniel de La Vega、出演はHugo Astar、Julieta Cardinali、Luis Machín、Gerardo Romano、Viviana Sacconeです。

死んだ母の後生家に帰った女性に起こる怪異 『The Pact』 2011年版

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2012年に製作されたアメリカのホラー「The Pact」の原型となる2011年版の『The Pact』です。長篇版は89分でしたが、原型となる短編版はわずか11分の作品で、2011年のサンダンス映画祭に出品されました。登場人物もほぼ2人の掌編といった感じです。

お母さんが亡くなり、アンナは子供時代に育った家に戻ってきました。しかしいないはずのお母さんの気配を家の中で感じるのです。首筋に手が触れるのを感じたり匂いもかいだことがありました。ある日ネットでのテレビ電話の最中、受信状況が悪くなります。受信が改善するように色々と場所を移動するうちに、部屋のライトが瞬くように点滅を始めました。アンナはある部屋から気配を感じます。それはこの家に来てからずっと気になっている部屋でした。彼女はそっと扉を開け、真っ暗なその部屋へ入っていきました。

たったこれだけの短いお話ですが、特にドアがひとりでに開くとか幽霊らしい姿を目撃するとかはありませんが、その背筋が寒くなるような雰囲気は素晴らしいと思います。アンナの不安が自身の過去と現在の母の死との絡みでより強くなっていくのは静かに膨らんでいく不安といった様子で、見ているほうも不安になってしまいます。この設定を元に長篇に作り直したのが2012年版の長篇となったんですね。

監督はNicholas McCarthy、出演はアンナにJewel Staite、エイドリアンにSam Ballです。

チェイサー

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2008年2月15日〜17日付 韓国興行成績第2位 37億404万ウォン。

 

韓国ではR-18で公開された『추격자』です。「Jumper」に阻止されて1位にはなれなかったものの僅差での2位、上映館数では週末最大規模での公開でした。2004年に韓国で実際に起こったソウル20人連続殺人事件をベースにしています。この事件は犯人ユ・ヨンチョルが富裕層の高齢者や風俗嬢を合計20人殺したというもので、その中の数名の内臓を食べた事でも有名です。犯人自身は26人を殺害したと供述しましたが、実際に立件されたのは20人でした。2008年の大鐘賞で最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門を受賞しました。

 

元刑事のジュンホはデリバリーヘルスを経営していますが、数人のヘルス嬢が逃げ出す事態となっていました。仕事に使った車は発見されたものの、当人はいません。具合が悪く家で寝ていたミジンはジュンホに出てきて仕事をしろと言われ、ひとり娘のウンジを家に残し仕事にいきました。ジュンホはミジンを向かわせた相手の電話番号が失踪した他のヘルス嬢の最後の相手と同じと気付き、ミジンに隙を見て携帯で相手の住所を教えろと伝えます。ジュンホは相手の男が自分のところのヘルス嬢を他に売りさばいていると考えたのでした。しかし本当は違っていました。相手の男ヨンミンはヘルス嬢を呼び出しては自宅で殺害していたのです。ミジンはすぐにヨンミンは恐ろしい相手である事を知りますが、携帯の電波が届きません。理由を見つけて逃げ出そうとしますが、時すでに遅く、ミジンは囚われの身となってしまいます。

 

ジュンホのかなり個性的な性格や早々に殺人を告白して警察に身柄を拘束されるヨンミンの飄々とした姿など、どうかするとコミカル的な要素も多いながら、実は凄く問題作だと思います。殺害現場の陰惨な様子、殺人を犯すヨンミンの異常性、最終的には真相にたどり着くジュンホの暴走ゆえの遠回りのもどかしさなど、かなり心にずっしりきます。それと同時にジュンホの酷い人間性(女性をお金儲けの道具にしか思っていないような感じ)が次第に違うものに変化していく様子を描くドラマにもなっています。警察の対応や捜査などがあまりにも無能に描かれているように思いますが、韓国の警察はこうなのか、それとも映画だからそのように描かれているのかは分りません。でも暴走するジュンホの方が(しかも最初は勘違いで行方を追っているのに)真相にどんどん近づいていっているのに見当違いをしているのは気になりました。所轄では不審に思う警官もいたんですけどね。そういう部分もあるものの、レベルの高い映画だと思います。

 

監督は나홍진、出演は김윤석、하정우、서영희、김유정、정인기です。

2018年度 ビルバオ・ファンタスティック映画祭 結果発表

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2018年5月4日〜12日にかけてスペインのビルバオで行われたビルバオ・ファンタスティック映画祭の結果が発表されました。今年で23回目という結構歴史のある映画祭です。規模は小さいですが設定されている部門は多く、9日間開催という期間もジャンル映画祭としては長いです。展示と活動では、Azkuna Zentroaの実験室、ジョー・ダンテのプレゼンテーション、「ファンタスティック映画の女性による方向性」と題したミーティング、FXメイクアップのマスタークラスなどが開催されました。

ビルバオはバスク州にある町で、100万人以上の人口を抱える大都市で、森林や山、海といった自然豊かな場所でもあります。バスク地方に文化や観光を繁栄させているビルバオ・グッゲンハイム美術館は巨大な軍艦のような形をしたユニークな建物です。

 

2018年度の出品作品は次の通りです。長編映画のみご紹介します。

 

The Strangers: Prey At Night / Rock Steady Row / Chimera / Trauma / Replace / Bad Match / Matar a dios / Vuelven / Downrange / Salyut 7 / The Endless / A Day / Housewife / Mayhem / November / Touched / Hostile / Revenge / Framed / Black Hollow Cage / Portrait of Jennie / Errementari / Encuentros en la Tercera Fase / 78/52 / Dhogs / The Love Witch / La Matanza de Texas / Call TV / Les Affames / La Casa de los Horrores / Necronomicon / Extraterrestrial / La Noche de los Muetros Vivientes / Compulsion / Still/Born / Los Crazies / Game of Death / The Woman / Atraccion Diabolica / Madraza / White Settlers

 

そして各賞の勝者は次のようになりました。

 

国際競争部門

最優秀作品賞    Mayhem
観客賞       Vuelven

最優秀脚本賞    Vuelven

監督賞       November

最優秀短編映画賞  Bailaora

最優秀バスコ短編賞 Ziren

最優秀短編観客賞  Rip

パノラマ部門

最優秀作品賞    Dhogs

最優秀短編アニメ賞 À CHACUN SA MALÉDICTION

最優秀短編映画賞  Bye Bye Baby

 

国際競争部門の最優秀作品賞に選ばれた『Mayhem』は、若い弁護士デレクはとても悪い日を過ごしています。彼は無実のミスの責任を嫁せられて上司からクビにされたところでした。今彼は職場復帰をお願いするために最上階のCEOを訪ねようとしています。ただそれにはひとつの問題がありました。人間を殺人マニアにしてしまうウィルスが発生し、ビルはロックの状態になってしまったのです、というアメリカのお話。

観客賞と最優秀脚本賞に選ばれた『Vuelven』は、エストレアは10歳、彼女のお母さんが失踪してしまい、エストレアは5人の孤児からなる子供たちのグループに入って生きていく事になりました。失踪中のお母さんの幽霊が現れたとき、彼女は自分の精神状態がおかしくなったのではと考え始めます、というメキシコのお話。

監督賞に選ばれた『November』は、このお話は魔法、ブラックユーモア、ロマンティックな恋愛に満ちた物語です。舞台はエストニアのとある村。そこでは狼男、ペスト、霊が歩き回っています。村人たちの主な問題は、この寒くて暗い冬をどうやって生き延びるかです。そしてその目的達成のためにはタブーは存在しないのです。人々は互いに盗みを働きます。ドイツ人の荘園領主からだったり、悪霊からだったり、悪魔からだったり、そして時にはキリストからも。自分の魂を守る為、それらを盗もうとするクリーチャーたちにクラッツと呼ばれる木製のものや金属のものを与えます。メインとなる主人公は村の若い少女Liinaは村の少年Hansに絶望的な一人寂しく恋愛感情を持っています。彼女の憧れは少女を人狼にさせ、冷たい池の中にジャンプするのです。彼女は愛の名の中に死ぬ準備が出来ています、というエストニアのお話。

最優秀短編映画賞に選ばれた『Bailaora』は、監督Rubin Steinによる、「Light & Darkness」「Tin & Tina」に続く三部作の最終作。スペインの15分のお話。

最優秀バスコ短編賞に選ばれた『Ziren』は、キャロルは最近パートナーを失い、彼女はこの悲劇的な出来事を乗り越える事ができません。医者は彼女に彼を生き返らせるという実験的な方法を話します。キャロルは彼女の人生を永遠に変えてしまうであろうこの重大な決断をどうするか考えなくてはなりません、というスペインの15分のお話。

最優秀短編観客賞に選ばれた『Rip』は、小さな見捨てられた村で1人の女性が彼女の夫の葬式の準備を最新の注意をはらってしています。彼女は計画に従って全てが進む事を望んでいます。ゲストに良い印象を持ってもらうことは彼女にとって非常に重要なのです、というスペインの16分のお話。

パノラマ部門の最優秀作品賞に選ばれた『Dhogs』は、あるタクシー運転手は家から離れようとするとあるビジネスマンのラモンを拾います。ラモンはホテルに降ろしてもらう前に家族の事について運転手と語ります。バーで彼はアレックスと会います。アレックスはラモンにあからさまにセックスしようと持ちかけてきます。「人に不快な思いをさせるのが好き」と彼女はいいます。この映画は観客の視線のもとで振舞われる浅ましく、動物的な人間を描く3つの物語です、というスペインのお話。

最優秀短編アニメ賞に選ばれた『À CHACUN SA MALÉDICTION』は、超自然的な人間が日常生活の一部となっている町で、2人のルームメイトは定期的な問題に直面しています。その問題とは、彼らの家は正体不明の生物によって蝕まれているということでした。彼らは彼らの方法で、この害虫の問題の解決策を見つけようとします、というベルギーの8分のお話。

最優秀短編映画賞に選ばれた『Bye Bye Baby』は、若い女性は静かな夜を過ごそうとしています。友達からの電話のあと、全てのことがうまくいかないようです。家に鎖で繋がれるような不可解な出来事で苦悩と混乱の感情が育っていき、ある疑問が彼女の頭の中をよぎります。本当に彼女はこの家にひとりなのでしょうか?というスペインの15分のお話。

2018年5月25日〜27日付 全米映画興行成績 Top 5

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2018年5月25日〜27日付の全米映画興行成績 Top 5です。

 

今週末全国規模で公開された新作は1本。大ヒットシリーズのスピンオフの第2弾『Solo: A Star Wars Story』が4381館で公開されました。スピンオフのシリーズとしては2016年12月に公開された「Rogue One: A Star Wars Story」に続く第2弾で、前作が4157館で公開されたオープニングが1億5508万ドル、トータル5億3217万ドルの大ヒット(正編と比較してもオープニング、トータルともに歴代3位)を記録したので、今作も期待が高まりました。今回の主役は若き日のハン・ソロですが、その結果はというと1位にはなりましたが8332万ドルという低い数字となってしまいました。8300万ドルは決して低くはないんですが、スター・ウォーズ・シリーズ(特にスピンオフの1作目がすごくヒットしたことから)としては低い結果です。それでも公開2週目の「Dead Pool 2」が4270万ドルだったので問題なく1位ですが。まあディズニーとしては「Black Panther」が6億9858万ドル、「Avengers: infinity War」が6億2168万ドルと、今年だけでアメリカの歴代興行成績のTop 10に2本も入れるという事態になっているので問題ないんでしょうけどね。その前に6億ドル越えが2本でたのは2015年で、その時は「Star Wars: The Force Awakens」9億3666万ドルと「Jurassic World」6億5227万ドルでした。

 

1(-) Solo: A Star Wars Story 8330万ドル

2(1) Deadpool 2 4270万ドル

3(2) Avengers: Infinity War 1650万ドル

4(3) Book Club 945万ドル

5(4) Life of the Party 510万ドル

 

さて来週ですが、全国規模で公開される新作は2本。2900館での公開を予定している『Adrift』はシェイリーン・ウッドリー主演のドラマ『Adrift』。嵐で船が難破して、漂流しながらも生き残った女性を描く実話が元になったお話。1983年に当時23歳だったタミ・オールダムという人がモデルです。この人は怪我を負っている状態で、41日間漂流してハワイにたどり着いたのだそうです。

もう1本2000館で予定されているコメディ『Action Point』は、ニュー・ジャーシー州に実在した危険な遊園地の実話をベースにしたお話。このアクション・パークは1978年にニュー・ジャージー州ヴァーノンに作られて人気となるんですが、死亡事故が相次ぎました。

上映館数も低いですし、上位は変動なさそうです。

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