探偵・神津恭介の殺人推理 『影なき女』

ドラマ comments(1) - こぶたのゆう



1985年2月2日にテレビ朝日の「土曜ワイド劇場」で放送された高木彬光の探偵・神津恭介シリーズの第2弾『影なき女』です。原作は短編で、「週刊朝日」に1950年1月29日号〜2月19日号まで連載されました。「影なき女」と名乗る謎の電話で殺人を予告する犯人、ニコチン注射による毒殺で、しかも密室犯罪というお話ですが、ドラマの方はアレンジされているようです。原作を読んでいないので比較はできないんですが。ドラマ版では殺人予告の電話とかはありません。

ルポライターの松下研三は、日本のシャーロック・ホームズと言われている神津恭介の妹・信子と銀座の宝石店にデートに行きました。彼女に何かプレゼントを買ってあげようとしていたのでした。そこでなかなか会う事のできなかった相手・森島信太郎と出会いアポを取ることができました。森島はサラ金の社長で財政界の黒幕といわれている人です。その日の夜という急な日程ではありますが、会ってくれることになり森島の自宅へと向かいました。ところが宝石店の社長とある女性がお客様で来ているということで研三は待たされる事になったのでした。そして殺人事件。殺されたのは主人である信太郎、部屋には鍵が内からかけられていて中には信太郎と金のストライプのコートを来た香港から来たという謎の女性・矢野文枝の2人だけのはずでしたが、返事がないので合鍵で中を開けてみると信太郎は死んでいて、女性の姿はありませんでした。窓も裏口のドアもすべて鍵が掛かっています。密室の中、信太郎はニコチン注射によって殺害され、部屋の中央のテーブルの上に置かれていた「アレッポの星」は消えていたのでした。


前作「刺青殺人事件」と比べるとオーソドックスなサスペンスといった感じの作品でした。原作を知らないのですが、ドラマでは影なき女があまりミステリアスな謎の女という感じがせず、最初の方から犯人ではなさそうな雰囲気が出ているように思います。密室の謎もそれほど魅力的ではない(あまり密室の重要性が強調されていません)ところもちょっと気になります。実は密室の謎が解けると犯人もだいたいわかるんですが、その密室の謎解きが最後の犯人と真相を明らかにする時になって初めてクローズアップされます。それまでのどうやって密室にしたのか、とかどうして密室にしたのかというような議論が全くありませんでした。それよりも謎の女の方がクローズアップされてしまっていて、せっかくの密室がもったいないと思ってしまいます。わたし的には物足りない作品でした。

監督は野田幸男、神津恭介に近藤正臣、松下研三に大和田獏、神津信子に飯干恵子、松下英一郎に原田大二郎、森島世津子に金沢碧、森島有子に比企理恵、森島信太郎に滝田佑介、浜田主計に村井国夫、矢野文枝にMIEです。

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