2017年度 ナイト・ビジョンズ 結果発表

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2017年11月22日〜26日にかけてフィンランドのヘルシンキで行われたナイト・ビジョンズの結果が発表されました。この映画祭はホラー、SF、ファンタジー、カルト映画に焦点を当てた映画祭で、ヘルシンキで年に春と秋の2回開催されています。1997年にスタートした映画祭で、そのルーツはゴアハウンドのジャンルシネマに焦点を当てたZine(コピー機などで印刷したものをホチキスなどで綴じた小部数発行の小冊子)で、そのZineの読者とスタッフが最初のナイト・ビジョンズをスタートさせました。第1回目は一晩のイベントでした。2002年から年2回の開催になって、春に行われるものはBack to Basics、秋に行われるものはMaximum Halloweenとなっていて、2005年からMaximum Halloweenは一晩から週末のイベントに拡大されます。この映画祭の賞は観客賞のみですが、観客賞が設定されたのは2008年からです。その第1回目の勝者は「Eden Lake」で、ここから2009年「Dead Snow」、2010年「Machete」、2011年「The Woman」、2012年「Dredd」、2013年「Jodorowsky's Dune」、2014年「What We Do in the Shadows」、2015年「Spandex Sapiens」、2016年「Arrival」と続いています。

 

ヘルシンキはフィンランドの首都で国内最大の都市です。100万人以上が住む都市圏としては最北に位置します。平均気温は7月で19度くらい、1月で-5度くらいですが、最高気温は34度もあるときがあります。ただ冬は―30度を越えるときもありますが。すごく北にあるので昼と夜の長さが極端で、夏至の頃には昼が19時間もあります。

 

2017年度の出品作品は次のとおりです。

 

My Friend Dahmer / Kuso / The Laplace's Demon / The Shape of Water / Vidar the Vampire / Day of the Dead / Armomurhaaja / What the Waters Left Behind / Sequence Break / Brawl in Cell Block 99 / Tokyo Vampire Hotel / Class of 1984 / I Remember You / Mansfield 66/67 / The Disaster Artist / Still/Born / Thriller - A Cruel Picture / Leatherface + alkukuvana The Wrong House on the Left / Habit / Roller Boogie / The Villainess / Christmas Blood / Lain Ulkopuolella / Salyut-7 / What Happened to Monday / It Came from the Desert / Commando / Christina Lindberg: The Original Eyepatch Wearing Butt Kicking Movie Babe / Another Wilfcop / Revenge / Liberation Day / The Endless / Return to Return to Nuke 'Em High / The Merciless / Wind River / Tragedy Girls / Street Trash / American Satan / Ninja III: The Domination / Our Evil / Dead Man Tells His Own Tale / Filmworker / Mätäkuu

 

そして観客賞は次のようになりました。

 

観客賞 The Disaster Artist

第2位 Filmworker

第3位 It Came from the Desert

 

観客賞に選ばれた『The Disaster Artist』は、同名のノンフィクションを原作としたアメリカのコメディ。史上最低の映画としてカルト的人気を得ている「The Room」の製作過程を描いた監督・主演ジェームズ・フランコの作品。

第2位に選ばれた『Filmworker』は、スタンリー・キューブリックの右腕として25年間ともに仕事をしてきたレオン・ヴィタリについてのアメリカのドキュメンタリー。

第3位に選ばれた『It Came from the Desert』は、1954年の巨大なアリのモンスターが登場する映画「Them!」にインスパイアされた1989年のゲームをベースにしたフィンランドのお話。

2017年度 ファンタフェスティバル 結果発表

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2017年11月22日〜26日にかけてイタリアのローマで行われたファンタフェスティバルの結果が発表されました。去年までは7月開催の映画祭でしたが、今年から11月に変更されました。1981年に設立されて今年で第37回を迎えるイタリアだけでなくヨーロッパでも歴史の長い映画祭です。1981年というと3大ファンタスティック映画祭のひとつポルト国際映画祭と同じスタートで、もうひとつのブリュッセル国際ファンタスティック映画祭よりも古いです。これらに比べると規模は小さいですが、その分怖い映画に特化しているともいえます。設定されている賞はイタリア部門最優秀作品賞と国際部門最優秀作品賞が中心となります。国際部門の最優秀作品賞に選ばれた近年の映画としては、2014年「Time Lapse」、2015年「Landmine Goes Click」、2016年「Testigo Íntimo」があります。さて11月に変更された今年の映画はどうだったでしょうか。

 

2017年度に設定されている賞は5つ。この賞にノミネートされる作品という事で出品される映画をご紹介します。

 

最優秀イタリア映画部門

The Wicked Gift / Almost Dead / The Antithesis

最優秀国際映画部門

Scarecrows / K-Shop / Incontrol / OMG I'm a Robot! / Matar a Dios / El Ataúd de Cristal / First House on the Hill / Fantasticozzi

最優秀イタリア映画短編部門

Videotape / In the Rose’s Shadow – In umbra rosae / Stigmate / Special Delivery / Mouth of Horror – La bocca dell’orrore / No Smoking/ Birthday / I vampiri sognano le fate d’inverno? / Splatter – La rivista proibita / L’insonne – Ouverture

最優秀国際映画短編部門

Black Ring / The App / The Egg / Bye Bye Baby / L’Ours Noir / Evströnger / Verde Pistacho / RIP / A.M.O.N. – Monitor Against Mexicans Over Nationwide / Cuerno de Hueso / Le Jour où Maman est Devenue un Monstre / Amo / In the Dark, Dark Woods / 2By2 / Einstein-Rosen / Fe

 

そして各賞の勝者は次のようになりました。

 

イタリア映画部門

最優秀長編作品賞 Almost Dead

最優秀短編作品賞 I vampiri sognano le fate d’inverno?

国際映画部門

最優秀長編作品賞 Matar a Dios

最優秀短編作品賞 Cuerno De Hueso

マリオ・バーバ賞 The Antithesis

 

イタリア映画部門の最優秀長編作品賞に選ばれた『Almost Dead』は、酷い車の事故を生き延びた医師ホープ・ウォルシュは見知らぬ荒涼とした場所に自分自身がいるのを発見します。人類は感染症の伝染病に襲われ、ほぼ全ての人がゾンビになりました。ホープはゾンビの口を通して彼の中に入ったウィルスを止めるための解毒剤を見つけるために6時間しかありません、というイタリアのお話。

最優秀短編作品賞に選ばれた『I vampiri sognano le fate d’inverno?』は、19世紀の別荘で暗い贈り物を受けた瞬間から現代に生きる吸血鬼の今を垣間見るイタリアの8分のお話。

国際映画部門の最優秀長編作品賞に選ばれた『Matar a Dios』は、カルロスと妻のアナは森の中の神秘的な家で大晦日と新年を家族で過ごそうとお父さんと弟を呼びます。しかし楽しかった夕食は、神が夜を中断すると主張する浮浪者の出現で中断されてしまいます。神は今夜全ての人類を滅ぼします。ただ2人だけが生き残る事を許されるのです。4人は誰が残され、誰が殺されるのかを決定しなければならなくなります、というスペインのお話。

最優秀短編作品賞に選ばれた『Cuerno De Hueso』は、森の中で暴行を受けた後、Roberは彼を道路まで案内してくれるという女性Lauraと会います。しかし彼女が連れて行こうとしていたのは別の場所でした、というスペインの20分のお話。

マリオ・バーバ賞(Best Italian Debut Movie)に選ばれた『The Antithesis』は、建築家によって呼ばれた若い地質学者は超常現象が発生する家に向かいます。いったんは解決するものの、研究者は恐怖とせん妄のスパイラルの中に自分自身がいることを知ることになります、というイタリアのお話。

2018年1月5日〜7日付 全米映画興行成績 Top 5

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2018年1月5日〜7日付の全米映画興行成績 Top 5です。

 

近年、年初めにホラーがヒットする傾向にありますが、今年も大ヒットホラーシリーズの第4弾『Insidious: The Last Key』が3116館で公開されました。この週末全国規模で公開された新作はこの1本のみ。あとは年末から続く大作がひしめき合いますが、多くが公開から3週や4週目となるので全体的に興行収入は低めとなりました。公開4週目の「Star Wars: The Last Jedi」は予想通り2372万ドルとなりましたが、以外にも「Jumanji:Welcome to the Jungle」が25%落ちという好成績で3723万ドル、結果1位になりました。期待のホラー『Insidious: The Last Key』は2958万ドルで2位でした。面白いのは「Jumanji: Welcome to the Jungle」が公開19日で2億4560万ドルになり、この数字は2012年12月に公開された「The Hobbit: An Unexpected Jurney」の2億3800万ドルをうわまるものです。ホビットが最終的に3億ドルに行きましたので、ジュマンジも3億が実現可能となってきました。

 

1(2) Jumanji: Welcome to the Jungle 3723万ドル

2(-) Insidious: The Last Key 2958万ドル

3(1) Star Wars: The Last Jedi 2372万ドル

4(4) The Greatest Showman 1377万ドル

5(3) Pitch Perfect 3 1029万ドル

 

さて来週ですが、全国規模で予定されている新作は3本。最大規模の3600館で公開が予定されているのは、イギリスの作家マイケル・ボンドの児童文学の映画化の第2弾『Paddington 2』です。イギリスでは昨年公開されて1位になりました。2800館で公開を予定しているのはリアム・ニーソンのアクション『The Commuter』。「Taken」シリーズでアクション映画のヒットを連発したので、今回も期待です。最後の1本は2200館で予定されている『Proud Mary』。女性の殺し屋が少年と出会った事から人生に変化が訪れるというお話。新作ではないですが、もう1本。2017年の12月後半に公開された『The Post』が2800館に拡大公開されます。こちらはアメリカで実際に起きた機密文書流出事件をスピルバーグがトム・ハンクスとメリル・ストリープ共演で描きます。

今週上位の映画は数字を落としてくるので来週はこの新作の数字によっては面白い順位になるかも。『Paddington 2』が強いですが、『The Post』にも期待したいです。

2017年度 アベルトワール・ホラー映画祭 結果発表

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2017年11月14日〜19日にかけてイギリスのアベリストウィス・アーツ・センターで開催されたアベルトワール・ホラー映画祭の結果が発表されました。アベリストウィスというのはイギリスのウェールズ、ペンブルックシャーにある町で、西に大西洋が広がっています。この州の海岸線は275キロもあって、海鳥の繁殖地としても貴重です。海岸のほとんどがベンブルック海岸国立公園に含まれています。アベリストウィスは地理的に孤立した町で、ここから最も近い住居エリアは南の方に車で110キロも離れたスォンジまで行かないといけません。

映画祭の方は2006年に設立されたもので、Film Agency for Walesによってサポートされています。最初は3日間の映画祭としてスタートしましたが、徐々に規模を拡大していって、現在では6日間の映画祭になっています。ヨーロッパ・ファンタスティック映画祭連盟に加盟していますが、メリエス・ダルジャンとして選ばれる映画は短編のみです。開催されるアベリストウィス・アーツ・センターはウェールズで最も大きなアーツ・センターのひとつです。劇場の他、コンサート・ホール、スタジオ、映画館や、4つのギャラリー・スペースやカフェ、ショップなどが集まっている施設です。

映画祭で設定されている賞はコンペティション部門として短編があり、その他は観客賞のみとなります。観客賞は長編に設定されていますが、新作長編とクラシック長編とに分かれています。

 

2017年度の出品作品は次の通りです。

 

長編部門

A Black in the Dark / All the Colours of the Dark / Better Watch Out / Blood and Black Lace / Canaries / Demons / Diani & Devine Meet the Apocalypse / Five Dolls for an August Moon / Housewife / Meatball Machine Kodoku / Mon Mon Mon Monsters / Nicko and Joe's Bad Film Club / Return to Return to Nuke 'Em High AKA Vil. 2 / Tales of Terror / Terror at the Opera / The Bloodstained Shadow / The Endless / The Housemaid / The Lodgers / The Mimic / The Sleep Curse / Tokyo Ghoul / Top Knot Detective / Vampire Clay / What The Waters Left Behind / Your Vice is a Locked Room and Only I Have the Key

短編部門

A Father's Day / Devil Town / Event Horizon / Flow / Holy F__k / L'ora del buio / Mab / Roake / Twinky Doo's Magic World / We Summoned a Demon

 

そして各賞の勝者は次のようになりました。

 

短編映画競争部門

最優秀作品賞 Mab

メリエス・ダルジャン Mab

長編映画部門 New Features

第1位    Diani and Devine Meet the Apocalypse

第2位    Mon Mon Mon Monsters

第3位    Canaries

長編映画部門 Classic Features

第1位 Tales of Terror

第2位 Demons

第3位 Blood and Black Lace

 

短編部門の最優秀作品賞とメリエス・ダルジャンに選ばれた『Mab』は、生贄の人々を明らかにするという事は危険の闇の中に潜んでいる悪魔と犠牲者の命をコントロールする事になるイギリスの15分のお話。

長編部門新作の第1位に選ばれた『Diani and Devine Meet the Apocalypse』は、文明の終わりを覚悟していますか?ディアニとデバインは違います。だから全てのパワーとコミュニケーションシステムが原因不明のダウンをしたとき、何の準備もしていないこのカップルは彼らの荷物をまとめ、事態が好転するまで安全な場所を求めます。彼らの信頼できる犬ワトソンと情けない猫ミセス・ピールを伴って、文明の崩壊の現実に対して戦う必要があります、というアメリカのお話。

第2位に選ばれた『Mon Mon Mon Monsters』は、シュウウェイ・リンはA級のオタクです。彼は常にクラスメイトから強烈なイジメの対象とされていました。彼の冷淡な教師とのトラブルに巻き込まれたとき、シュウウェイは彼をいじめる3人と共にコミュニティ・サービスへの奉仕を命じられます。彼らが働く事になっている老朽化したケアホームをこそこそ動き回っていたとき、彼らは2人の人肉を食べる恐ろしいモンスターを発見します。1人は年寄りで1人は若いです、という台湾のお話。

 

第3位に選ばれた『Canaries』は、ロンドンのラジオのDJスティーブはニュー・イヤーズ・イブに仲間のパーティのトップ・ゲストとして谷間にある故郷に戻ってきました。その頃シークレット・エージェントが奇妙な報告をヒヤリングしていました。ベトナム時代以前から続く未解決事件のパターンです。これはエイリアンの侵略の始まりを告げるものでした、というイギリスのお話。

長編部門クラシックの第1位に選ばれた『Tales of Terror』は、監督ロジャー・コーマンによる邦題「黒猫の怨霊」で、ポーの原作3本を映画化したオムニバスもの。第1話「怪異ミイラの恐怖」、第2話「黒猫の怨霊」、第3話「人妻を眠らす妖術」からなります。

第2位に選ばれた『Demons』は、ダリオ・アルジェント製作総指揮、監督ランベルト・ハーバによる、映画館に閉じ込められた人々が映画から感染したような悪魔に変貌した人たちに襲われる物語。パート2もあって、こちらは高層マンションに閉じ込められた人々を描きます。

第3位に選ばれた『Blood and Black Lace』は、監督マリオ・バーバによる邦題「モデル連続殺人!」で、イザベルという名のファッションモデルが殺されますが、彼女が付けていた日記が他のモデル仲間の手に渡り、今度はそのモデルが殺されるというスリラー。

2017年12月29日〜31日付 全米映画興行成績 Top 5

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2017年12月29日〜31日付の全米映画興行成績 Top 5です。

 

今週末全国規模で公開された新作は1本。2074館で公開された『All the Money in the World』は監督リドリー・スコットのアメリカとイギリス合作のスリラー。石油王の孫の誘拐を描くお話で、ミシェル・ウィリアムズ、マーク・ウォルバーグ共演。558万ドルを記録して7位となりました。いつも年末はボックスオフィスは新作の公開は少なく、今年もそれ以外はそれまでに公開された映画が継続でした。その結果公開3週目の「Star Wars: The Last jedi」が1位、続く公開2週目の「Jumanji: Welcome to the Jungle」が2位をキープ。さらに「Pitch Perfect 3」も3位と、1位から7位まで先週と同じ順位のままとなりました。「Star Wars」はトータル5億1720万ドルに達し歴代5位、2017年の年間興行成績は1位になっています。確かアメリカでの年間興行成績の集計はその映画の公開が終わるまでだと思うので、もう少し数字を伸ばしそうです。

 

とりあえず現時点での2017年の年間興行成績は次のようになっています。

 

 1 Star Wars: The Last Jedi 5億4900万ドル

 2 Beauty and the Beast 5億40万ドル

 3 Wonder Woman 4億1250万ドル

 4 Guardian of the Galaxy Vol. 2 3億8980万ドル

 5 Spider-Man: Homecoming 3億3420万ドル

 6 It 3億2750万ドル

 7 Thor: Ragnarok 3億1200万ドル

 8 Despicable Me 3 2億6460万ドル

 9 Justice League 2億2650万ドル

10 Logan 2億2630万ドル

 

そして今週末の結果は次のようになりました。

 

1(1) Star Wars: The Last Jedi 5252万ドル

2(2) Jumanji: Welcome to the Jungle 5005万ドル

3(3) Pitch Perfect 3 1681万ドル

4(4) The Greatest Showman 1552万ドル

5(5) Ferdinand 1138万ドル

 

スタジオ別では「スター・ウォーズ」効果ばっちりのディズニーが2位のワーナーに結果差をつけて2年連続の1位になりました。それでも2016年に30億ドルの年間興行収入を達成したディズニーは今年は24億ドル、反対に2年連続2位になったワーナーは2016年に19億ドルだったのが2017年20億ドルと少し増えました。ただ2年連続ディズニーの公開本数はワーナーの半分以下。ディズニーは少ない本数に製作費を集中させて大ヒットを狙っているようです。スター・ウォーズやマーベルもの、ディズニー・アニメものなど多くの大ヒットシリーズコンテンツを手にしているディズニー、他のスタジオに大きく差をつけるディズニー帝国が完成したようです。

 

さて来週ですが、2018年度最初の全国規模での公開となる新作はインシディアス・シリーズの第4弾『Insidious: The Last Key』。第1作目のオープニングが1327万ドルで3位、第2作目は4027万ドルで1位、第3作目は2269万ドルで3位でした。スター・ウォーズがおそらく2500万ドル前後だと思うので、1位になるのはちょっと厳しいかも。

2017年 こぶたのゆうアワード 発表!

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2017年度のこぶたのゆうアワードを発表します。

 

2017年にわたしが観た映画の中で、どの映画が特別良かったのかというのを独断と偏見で発表するこぶたのゆうアワードも今年で4年目を迎えます。このアワードでは1位に黄金のこぶた賞、2位に白銀のこぶた賞、特別賞に青銅のこぶた賞というのを設けています。過去の黄金のこぶた賞では、2013年「今日君に会えたら」、2014年「天然コケッコー」、2015年「アイ・オリジンズ」、2016年「シンデレラ」が選ばれました。今年はどの映画になるでしょうか。

 

という訳で、今年のこぶたのゆうアワードは次のようになりました。

 

黄金のこぶた賞 予告犯

 

白銀のこぶた賞 アデル/ファラオと復活の秘薬

 

青銅のこぶた賞 ザ・コンサルタント

 

今年は2014年の「天然コケッコー」以来となる日本映画の黄金のこぶた賞となりました。生田斗真カッコいいです。でもそれを抜きにしても、映画の内容そのものがわたしの心にずしっときました。サスペンス調ですが、首謀者の動機がすごく単純で、でもその人にとってそれは命をかけるに値する、という部分が特に心にきました。「アデル/ファラオと復活の秘薬」は観ているときはそれほどの印象はなかったものの、その後ジワジワと心の中での位置が高くなっていった映画。こういうの、たまにあるんですが、フランス映画のコメディというのもいいものです。フランス映画が選ばれるのは2015年の「タイピスト」以来2度目となります。「ザ・コンサルタント」は異色のヒーローもの。ベン・アフレックがあれほどヒーローにはまるとはすごく意外でした。

2018年はどんな映画とであるでしょうか。すごく楽しみです。2017年ももうすぐ終わり。

よいお年を。

第2回 真夜中のこぶた賞 結果発表

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第2回真夜中のこぶた賞の結果発表です。

 

今回は前回よりもホラーよりの作品が多かったように思います。町が全部閉じ込められる「アンダー・ザ・ドーム」や人魚の呪いの物語、アルジェントのような殺人鬼ものや心霊現象を描くものなど。この中で幾つかの作品はすでに映像化されています。真夜中のこぶた賞では映像化作品を先に見たものは含まれていないので、それらの作品は本が一番最初になります。

そしてこの第2回真夜中のこぶた賞、その勝者は次のようになりました。

 

悪いオオカミ賞    残穢 小野不由美

したたかな赤ずきん賞 ずうのめ人形 澤村伊智

           女學生奇譚 川瀬 七緒

 

以下は10作品の採点となります。

 

アンダー・ザ・ドーム スティーブン・キング 4

暗黒女子 秋吉里香子 4

死夢 小笠原彗 +3

人魚呪 神護かずみ 3

残穢 小野不由美 5

乙霧村の七人 伊岡瞬 3

ずうのめ人形 澤村伊智 +4

殺人鬼フジコの衝動 真梨幸子 +3

スラッシャー 廃園の殺人 三津田信三 +3

女學生奇譚 川瀬 七緒 +4

 

今回初の5が出ました。『残穢」は久々に読み終わるのがもったいないと思うほど面白い作品でした。ストレートな怖い表現や出来事はないものの、本当にあった呪いのビデオみたいな心霊現象の原因を調査する、というお話を、実際に追体験するというのはこれまでにわたしが体験した事のない読書体験でした。映画の方は見ていないのでそちらの評価はできませんが、本の方はすごく面白い作品でした。

したたかな赤ずきん賞に選ばれた『ずうのめ人形』は『女學生奇譚』は残念な部分はあるものの、それを上回る面白さが感じられたお話です。どちらも良く似たスタートから全く異なる展開に持っていくところはすごく楽しめました。片方はホラー、片方はミステリ的な展開になりますが、その流れはドキドキするもので良かったです。

 

第3回は2回目よりも短いインターバルになるように頑張りたいと思います。

女學生奇譚 川瀬七緒

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フリーライターの八坂駿は、オカルト雑誌の編集長から妙な企画の依頼をされる。「この本を読んではいけない……」から始まる警告文と古書を、竹里あやめという女が持ち込んできたのだ。その古書の本来の持主である彼女の兄は数ヶ月前に失踪、現在も行方不明。このネタは臭う……八坂は、タッグを組むカメラマンの篠宮、そしてあやめとともに謎を追う。いたずらか、狂言か、それとも――。最後まで目が離せない、サスペンスミステリー!

 

2016年6月8日刊 徳間書店

 

この本を読んではいけない。過去に読んだ者のうち五人が発狂し、二人が家から出られなくなり、三人が失踪している。これは「拙が把握している限り」の数であり、実際のところは不明である。彼らのその後の生死はわかっていない――。この本を手にしている者については、いかなる事態にも責任は負いかねる。もう一度警告する。ただちに本を閉じよ。読んではいけない。

 

『月刊シュタイナー』の火野編集長から別冊特集の担当ライターの仕事を依頼された八坂駿。ある女性から電話があり、古本に恐ろしいメモが挟んであったのです。そしてその本の持ち主で女性・竹里あやめの兄が失踪していました。カメラマンの篠宮由香里とともに竹里あやめに会った八坂はそこでメモの挟んであった本を受け取ります。本のタイトルは「女學生奇譚」。1日目から30日目と日記のような体裁で描かれている本。八坂はさっそく読み始めます。それは佐也子という少女の日記のようなものでした。本には昭和3年6月発行とあるように、中身もどうやら昭和初期のようです。女学校に通う佐也子の自身のことを書いた小説のようにも思われます。生い立ちから現在の気持ち、女学校での思い出などが書かれていました。モダンガールの友だち多美子の事やエスの関係である「蒼月の君」の事など。そして今日の料理のすばらしさ。ただ不穏なところがあるとすれば、それはこのお話を書き終えたときに彼女は死ななければならないと書かれていました。八坂はメモを取りながら、サブリミナル効果のような仕掛けや精神に働きかける文字列になっていないかなどよく調査してみます。しかしそんな仕掛けはなさそうでした。物語は続きます。新しい少女・道江がこの屋敷に連れてこられました。彼女は帰りたいと泣いてばかりです。佐也子はこの家の主人のお気に入りの存在と自負しています。この家には4人の少女が幽閉されていて、座敷牢の中にいるのでした。女中頭や下男が彼女たちを見張っています。しかし佐也子はあの人のお気に入りという事で、ここにいるのがそれほど苦にはならなくなっていたのでした。今年の1月に佐也子の前にこの家で少女たちがおこなっている柊の会の仕切り役だった三奈がいなくなりました。ここではずっと続いている事があります。それは柊の会の仕切り役の少女は、古時計の夕方の三時の鐘を鳴らす時に女中頭が格子の錠を外す時、仕切り役の少女は旦那様に連れていかれてそのまま帰ってこないのです。三奈もそれっきりでした。

 

本を読んだら恐ろしい事になる、というのは「ずうのめ人形」に似ていますし、本に書かれている事がどうやら事実を基にしているらしく、それを調査していくというのは「残穢」に似ていると思いました。大正15年から昭和3年にかけて東京で神隠しと呼ばれる少女失踪事件が実際に起きている事を突き止めます。消えた少女は15歳から17歳までで、全員がどこかの女学校に通っていました。どうやら書かれている事がフィクションではなくノンフィクションのようだとわかって来てから面白くなっていきます。ポイントは帯にも書かれているようにこの本がサスペンスミステリーである事。「ずうのめ人形」や「残穢」はホラーといっていい内容だったけど、こちらはホラーのように見えるけれど結果的にはホラーじゃないなという印象でした。ただホラー並みの衝撃の(恐ろしい)真実はありますけど。気分が悪くなるくらいの真実です。終盤内容が二転三転するところも良かったです。問題点は本を巡る真相の部分。スケールの大きな真相ですが、リアリティの所で考えるとわたしはどうかなあと思います。

『スラッシャー 廃園の殺人』  三津田信三

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2007年6月に講談社から講談社ノベルスとして刊行された三津田信三のホラー小説『スラッシャー 廃園の殺人』です。
三津田信三というと同名の登場人物が主人公の三津田信三シリーズ、刀城言耶シリーズ、死相学探偵シリーズ、家シリーズとありますが、これはその他のジャンルに分類されるものです。ホラーとミステリの融合という点から見ると、この人の小説はかなりレベルの高いものだと思います。登場人物の名前の普通じゃないところ(あり得ないネーミングです)や部分的にベタな展開もありますが、ミステリとしての肝心な謎解きの部分は純粋にすごいなあと感心させられてしまう作家です。この作品はジャンルとしてはホラーですが、本の冒頭にダリオ・アルジェントに捧げるとあるように、意外な犯人が用意されています。

プロフォンド・ロッソという会社はヨーロッパのマニア向けのホラー映画の販売や、オリジナルビデオで怪奇探訪シリーズといったものを製作しています。社長が大のアルジェント好きで、ホラー作家で現在行方不明になっている一藍が以前に多額のお金をかけて作った廃墟庭園を舞台にメタ・ホラーの製作をする事になりました。これはこの庭園を舞台にホラー映画を製作しながら一方でこの製作のメイキングを作るというものです。さらにこのメイキングで他の作品を作るかもしれない予定もありました。こうしてプロフォンド・ロッソの社員、よそのプロダクションから依頼した出演者、社長が町でスカウトしてきた少女(彼女は大学の建築家で、一藍の謎の庭園に入れるという事で今回のロケに参加します)など数名の人たちがこの庭園にやってきました。しかし次第に1人また1人と姿を消していき、残された人たちは全身黒ずくめの謎の人物に追いかけられ始めます。そして出演者たちの知らない所で、姿を消した人たちはとても残酷な方法で殺害されていたのです。

なかなか良かったホラーものです。謎の人物に追いかけられている割には余裕の会話をしている人や、庭の様式を細かく説明するシーンなどちょっとリアリティに欠ける部分が多々見られるなあと思って読んでいたら、なんとそれ自体がトリックの仕掛けになっていた(作者が読者にしかけるアレです)というびっくりの展開でした。ただ合理性という点では無理があるようにも思えるので、そこでホラーという処理が必要だったのかなあと思ってもみたりします。でもホラー映画って、そういうものも多いのでこれはこれでありでしょう。深夜にテレビでたまたま怖い映画をやってた、みたいな感じで読むと得した気分になると思います。綾辻行人の作品と比較されがちのようですが、私はまだそちらの方を読んだことがないのですんなり入り込めたのはラッキーだったのでしょう。その内そちらの方も読んでみたいと思います。

2017年度 ファンシネ・マラガ 結果発表

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2017年11月8日〜16日にかけてスペインのマラガで行われたファンシネ・マラガ(マラガ大学ファンタスティック映画祭)の結果が発表されました。この映画祭は1990年からスタートしました。ファンタスティック、SF、ホラー系の映画祭としてはスペインでは最も重要な映画祭のひとつです。ヨーロッパ・ファンタスティック映画祭連盟にも加盟しています。最初はファンタジー映画のジャンルの歴史としてベスト・ファンタジー映画のコレクションを上映していましたが、1997年から古典作品から離なれて現代の映画を中心に、国際競争の特性を持った映画祭になりました。その第1回目の最優秀作品賞に選ばれたのはアメリカのバンパイアもの「The Addiction」です。1997年からずっと最優秀作品賞に日本映画は選ばれませんでしたが、2015年に初めて「リアル鬼ごっこ」が受賞しました。

マラガはスペインアンダルシア州マラガ県にあります。地中海に面してリゾート地コスタ・デル・ソルの中心です。ピカノの出身地としても有名です。コスタ・デル・ソルは他にコスタ・デル・ソル国際ファンタスティック映画祭もあります。太陽がさんさんと輝くきれいな海に面した町です。首都マドリードからは4時間ほどです。

 

2017年度の出品作品は次の通りです。主なものをご紹介します。

 

長編競争部門

Thelma / The Lodgers / Let the corpses tan / Mom and dad / Les affamés / Free and Easy / Black Hollow Cage / Bushwick / Before we vanish / Better watch out

SECCIÓN INFORMATIVA

Trapped / The endless / Salyut-7 / The cured / Pilgrimage / Radius / How to Talk to Girls at Parties / Jungle / Blade of the inmortal / Dabka

ホラー・ゾーン

Tokyo Ghoul / The Vault / The Maus / Revenge / Meatball Machine Kodoku / Hounds of love / Downrange / Death Row Family

FANZRILLER

Sweet Virginia / The prison / The line / My son / Les serpent aux mille coupures / Love me not / Firstborn / Kaleidoscope / 3 Things / Bad Match

 

そして各賞の勝者は次のようになりました。長編のみご紹介します。

 

最優秀作品賞 Let The Corpses Tan

最優秀監督賞 Joachim Trier "Thelma"

最優秀女優賞 Charlotte Vega "The Lodgers"

最優秀効果賞 The Lodgers

最優秀男優賞 Levi Miller "Better Watch Out"

最優秀脚本賞 Better Watch Out

最優秀撮影賞 Let The Corpses Tan

観客賞    Better Watch Out

 

最優秀作品賞・最優秀撮影賞を受賞した『Let The Corpses Tan』は、夏の地中海、青い海、燃える太陽。盗まれた金塊250kgを持って逃亡したRhinoのギャング一味は完璧な隠れ家を見つけます。破棄された人里離なれたハムレットは今、インスピレーションを求めている女性芸術家に引き継がれています。残念ながらサプライズ・ゲストと2人の警察官が彼らの計画を変えてしまう事になります。この天国のような場所は身の毛もよだつ戦場へと変わります、というフランスのお話。

最優秀監督賞を受賞した『Thelma』は、気弱なテルマは農村地域の田舎にある実家から大学のためオスロに引っ越します。彼女はそこで初めての恋を経験します。相手はオスロで知り合った女の子でした。しかし彼女の家族の抑圧的な干渉によってテルマの関係は複雑になります。この家族の持つ厳しい宗教的な環境は彼女のユニークな能力を作り出したようでした。テルマが動揺したり興奮したりする時、奇妙な事が起こり始めます、というノルウェーのお話。

最優秀女優賞・最優秀効果賞を受賞した『The Lodgers』は、1920年アイルランドの田園地帯。アングロ・アイリッシュの双子レイチェルとエドワードは彼らの崩れた家族の地所に謎の存在を共有していました。毎晩、その財産は不吉な存在の領域となり、双子に3つのルールを適用します。それは「真夜中までにベッドにいなければならない」「彼らの敷居を越えさせて部外者を入れない」「もし片方が脱出を試みたなら、残ったもうひとりの命は危険にさらされる」というものでした、というアイルランドのお話。

最優秀男優賞・最優秀脚本賞・観客賞を受賞した『Better Watch Out』は、17歳のアシュリーはクリスマスのホリディの間、早熟の12歳のルークのベビーシッターをします。2人は深夜ホラー映画を見ている時、ルークが彼女を誘惑しようと試みている奇妙な振る舞いに彼女は気付き始めます。ルークの親友ギャレットがすぐにやって来て、ルークの思惑の邪魔をしてしまいます。2階にレンガで「Leave and U die」と書かれているのを発見したとき、奇妙なことが起こり始めました。ギャレットは裏口から走って外に出て様子をみますが、突然銃声が聞こえ、謎の狙撃者によって殺されてしまいます、というオーストラリアのお話。

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