普通サイズの怪人

映画 comments(0) - こぶたのゆう



1989年のローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞した「鉄男」の原型となる『普通サイズの怪人』です。16分ほどの短編で(「鉄男」自体が67分しかないんですが)、8ミリ(「鉄男」は16ミリ)で撮影されました。この後「電柱小僧の冒険」でPFFアワードのグランプリを受賞しました。内容はほとんど「鉄男」と同じで、長篇にパワーアップしたっていう感じ。「鉄男」でも低予算での映画でしたが、こちらはもっと手作りといった感じです。

男はここ最近具合があまり良くありません。
ある日地下鉄の駅のホームで電車を待っているとき、長い髪の女が突然襲い掛かってきました。左手が金属になっているのです。指は金属製のムチのようになっていて蠢いています。男は逃げますが、男の方も驚異的なスピードが出ました。そして追いつかれ襲い掛かられた男は反対に相手の女を殴り殺すのでした。男の腕は金属状になって変形しています。
アパートに戻ると恋人がいます。具合が悪い男を見て、最近この辺に出没している殺人犯はあなたじゃないの? といわれる始末。ところが突然男の大事な部分がドリルに変形、男は凶暴になり女に襲い掛かりました。そして女を殺してしまうのです。ここで別の男が登場。彼は男の会社の営業部の青年でした。自動車事故に遭ったと聞いていましたが、なぜ彼がここにいるのでしょう。彼は事故で脳に金属の破片が入り込み、それを細胞化させて体内に取り込んでしまったのだそうです。そしてこの金属を操る力を得たのでした。そして男に目をつけていたのです。

超能力で男に増殖する金属を埋め込んだり、女を操って男を襲わせたり、この能力を得る原因とか細部に長篇版との違いはありますし、鉄の男に変貌した様子も少し簡単になっているところなんか、予算の都合かなという部分がありますが、それがかえって手作りを強調してて面白いです。でも、8ミリの16分作品にしてはそのパワーはすごいもので、お金をかけたらもっとすごいものができるんだぞ、といった感じで作られたのが「鉄男」のような気がします。一番の違いは男と彼の戦いとなった「鉄男」に比べ、すぐに一緒になろうと歩み寄る(実際彼が男にご飯を食べさせるというシュールなワンシーンがあります)部分が一番大きな違いかも。あともうひとつ大きな違い、それは「鉄男」は白黒でしたが「普通サイズの怪人」はカラー作品です。

監督は塚本晋也、出演は男に田口トモロヲ、女に叶岡伸、彼女に藤原京、彼に塚本晋也です。

コメント一覧
コメントする

 

無料ブログ作成サービス JUGEM