マーメイド NYMPH

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2014年に製作されたセルビアのホラー『Mamula』です。他にも「Nymph」「Killer Mermaid」といったタイトルがありますが、セルビアでのタイトルは『Mamula』です。マムラというのはモンテネグロとクロアチアの国境に近いコトル湾沿岸にある直径200メートルほどの丸っこい小さな島で、ここに丸い形の第2次世界大戦の時の強制収容所跡地があります。元々は19世紀に作られた要塞で、強制収容所の時には130人もの人が死んだといわれています。最近ではモンテネグロ政府がここをビーチリゾートにするという計画にOKを出したというニュースがありました。

 

アメリカからやって来た女性2人組、ケリーとルーシーを出迎えたのは大学時代の同級生アレックスです。ルーシーとアレックスは昔恋人同士だった事もあり、その再会は気まずいものでしたが、アレックスには婚約者ヤスミンがいました。4人は一緒にコトル湾周辺でバカンスを楽しみます。ケリーは子供の時に溺れている弟を助ける事が出来ず、それがトラウマとなって海が怖くなっていました。この海には19世紀に砦が作られたマムラという島があります。ケリーはその島に興味を持ちますが、レストランで隣にいた初老の男から、あの島は危険だから近づいてはだめだという忠告を受けます。アレックスとヤスミンの知り合いの男性ボバンが大丈夫というので結局5人でマムラに行く事になりました。船を停める場所は無いのでゴムボートを出来るだけ島に近づけて上陸します。ケリーは古い建造物の写真を沢山スマホで撮っていました。そこに1人の初老の男性(レストランの人とは違います)がなにやらバケツを持ってやってきました。こっそり様子を窺っていると、男はバケツの中身を井戸の中に放り込んでいます。その中には人間の腕が見えました。5人は存在を気付かれます。男は銃を持って彼らを追いかけます。5人はアレックスとケリー、ボバンとルーシーとヤスミンの二手に分かれました。男は3人の方を狙います。アレックスとケリーは建物の中の方に逃げますが、その奥の方から女性の歌声が聞こえてきました。しかしケリーには聞こえません。アレックスはその歌声に心を奪われてしまいます。鍵がかかっている扉をなんとかこじ開けますが、その扉の向こうに美しい女性がいました。

 

人魚ものの映画ですが、この人魚、凄く怖いです。人を食べます。美しい女性の姿をしていますが、その姿も異形の姿に変わる時もあります。歌声で男を誘惑して(女性には聞こえないようで効果はありません)、虜にしてしまいます。ですがポイントはみんながこの人魚に襲われる訳ではない所。人魚には人間の協力者がいて(餌を人魚に与えるために人を殺しています)、人魚のために5人を殺そうとします。中盤はこの人物との戦いになります。人魚が陸に上がると動きがかなり悪いという部分はリアルですが、はねるシーン(魚が陸にあげられるとピチピチはねるやつです)はさすがにありません。水の中では無敵ですね。当然ながら人間の言葉はしゃべることはできませんが、人間の協力者にはなついているようでした。映画の描き方から誰が生き残るのかがわかりにくい点(他の要素から予想できてしまう問題点はありますが)が良かったです。マムラ島の廃墟の雰囲気や、閉鎖された空間で逃げなければ殺されるという緊迫感などはすごくいいです。人魚のホラーという、一見どうかなあという感じの映画ですが、かなり面白かったです。ホラーとしての完成度は高いと思います。

 

監督はMilan Todorović、出演はKellyにKristina Klebe、LucyにNatalie Burn、AlexにSlobodan Stefanovic、BobanにDragan Micanovic、YasminにSofija Rajovicです。

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