ヘルケバブ 悪魔の肉肉パーティー

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2016年1月1日〜3日付 トルコ興行成績第8位 31万リラ。

 

もの凄いビックリな邦題となってしまったトルコのホラー『Baskın: Karabasan』です。タイトルのBaskinは襲撃という意味で、副題のカラバサンはトルコの幽霊みたいなもののようです。夜中に出てきて全身白っぽくて、手には数珠を持っています。そして寝ている人(突然目を覚ましてしまうのですが)の鼻と口をふさいで窒息死させるというものです。ワールドプレミアは2015年のトロント国際映画祭、監督はこれが監督デビュー作となるCan Evrenol。ファンタスポアで特別賞、ファンタスティックフェストで最優秀監督賞、モルビド映画祭で最優秀作品賞などを受賞しています。

 

警察のバンが駐車されている夜のダイナー。5人の警察官は料理を食べながらおしゃべりをしています。その店の厨房では裏口からバケツ一杯の肉らしきものを受け取り、その中の肉片を焼き始めます。警察官は自らの初めての性の体験について話を始めます。Apoはその相手が鳥であり、新人のArdaはお店で商売の相手と、Yavuzはモデルの女性だと思ったら女装した男性でした。料理を運んできた若い店の男とYavuzが揉め、Seyfiはトイレでカエルの塊を目撃して叫び声を挙げます。店を出た彼らはInceagacと呼ばれるどこかで仲間からの応援要請の無線を受けます。Seyfiはその場所には悪い噂があるとみんなに言います。Seyfiは突然裸で道を横切る人を目撃して慌てて車を止めました。そこには誰もいませんでしたが、道には大量のカエルの群れが固まっていました。さらに行くと今度は突然道のど真ん中に血まみれの人が立っていて、彼らのバンはその人物にぶつかって川に落ちました。なんとか車から脱出した5人は、近くに固まって座っている地元民(彼らは目的の場所に行くことをやめるように言います)を放っておいて現場に向かいました。そこはなにやら異様な肉の塊のようなものがぶら下げられている不気味な廃墟のような建物でした。そしてパトカーが停まっていて、警察官の姿は見えません。建物の中は真っ暗で異臭が激しく、奥の方から音が聞こえてきます。そこに行くと、制服の警官が自ら壁に何度も何度も頭を撃ちつけていました。

 

とにかく凄い内容です。大まかな展開は、この建物では異様な姿の教祖を中心に目隠しをされて地面を這うように動く信者たち、檻の中に人が閉じ込められていたり、人間を解体している信者がいたりと地獄のような世界が広がります。真っ暗な建物の中に、血と死体と汚れにまみれた人間たち、という凄い光景が広がり、さらに捉えられた警官たちがその集団によって恐ろしい目に遭うというお話です。ですが問題は物語の流れというかそれぞれのシーンの関連性が分らないという点です。警察官の中に何かの力を持っている人がいて、それと教祖(または教団)とが何らかの関係があるようですが、わたしにはわかりませんでした。ダイナーでの意味深な肉との関連や、女性の信者らしい人と無理やり性行為をさせられたすぐ後に立ったまま出産するシーンだとか、人間のようだけど人間じゃないように思われるシーンもあって、頭が混乱してきます。無理やりわたしの中で物語を理解しようとするなら、これは主人公となるアルダの悪夢、またはダイナーの所から彼らにかけられた呪いのようなものなのかな、と思いました。廃墟のシーンだけで判断すると支離滅裂のような感じで説明できないですから。ただ大まかな設定や映画全体を覆う雰囲気はすごくいいです。おどろおどろしい、何かとんでもない事が行われる、という感じがすごくします。そしてそれが(内容はよくわからないにしても)最後まで続くというのも良かったです。この物語に分り易い説明的なものを加えるとその雰囲気が半減するようにも思うので、この映画はこれでいいのかな、と思いました。

 

監督はCan Evrenol、出演はArdaにGörkem Kasal、YavuzにMuharrem Bayrak、Ergun KuyucuにRemzi、Baba / The FatherにMehmet Cerrahogluです。

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