マーターズ

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2008年9月3日〜7日付 フランス興行成績第20位 2800ユーロ。

 

フランス国内69館というとても小規模な上映館数で公開されたフランスのホラー『Martyrs』です。プレミア上映は2008年のカンヌ映画祭。2015年にアメリカでリメイクされました。多くのサイトで「二度と観たくない」とその衝撃の内容をコメントしています。シッチェス国際ファンタスティック映画祭で最優秀メイキャップ賞とシルバー・メリエスを受賞、そして翌年のシッチェス国際ファンタスティック映画祭でゴールド・メリエス(各連盟映画祭が選んだシルバーメリエスから最優秀のゴールドメリエスを選びます)に選ばれました。

 

1971年、リューシーは監禁されていた場所から隙を突いて逃げ出しました。孤児院に引き取られ、そこで他の子達と一緒に生活をするようになりますが、極限状態を体験した事から精神的に不安で何かに怯え、自身を傷つける行動をします。それでも次第にアンナという同世代の女の子と打ち解けるようになりました。その女の子アンナは自分には見えない幽霊のようなものに彼女が怯えていることを知ります。アンナはリューシーが怖がるたびに慰めるのでした。

15年後、のどかなとある一家の朝。お父さんとお母さん、兄と妹の一家4人の朝食風景です。そこに来訪者がありました。お父さんが玄関に向かいますが、突然ショットガンで吹っ飛ばされます。次にお母さん、兄、そして妹と、次々にショットガンで殺していきました。来訪者は大人になったリューシーでした。彼女は恋人(女性同士の恋人となった)のアンナに電話します。急いで駆けつけたアンナはその惨状をみて愕然としました。リューシーはこのお父さんとお母さんが自分を監禁して拷問していた人物に間違いないといいます。しかしアンナはそれをすぐに信じる事ができませんでした。どうみても普通のありふれた家族です。とにかくリューシーを落ち着かせて死体を片付けます。リューシーは敵討ちをしたからと思っていましたが、それでも亡霊は彼女の前に出没します。この亡霊は、彼女が逃げる時に発見した他の犠牲者(逃げるために彼女を見捨てました)に対する罪悪感から生まれていたのでした。お母さんが奇跡的にまだ生きていたのでアンナはなんとか助けようとしますが、リューシーはそれに気付いてお母さんも再びかなづちで殺害、さらに絶望した彼女は自身の首をナイフで切り裂いて自殺してしまいました。悲観に暮れながらリューシーの遺体の側で一晩過ごしたアンナはどこからか物音が聞こえてくるのに気付きました。戸棚を開いてみると、そこには通路があり、地下へと階段が続きます。そしてその奥で、金属のヘルメットのようなものを頭に直接打ち付けられてチェーンで監禁されている女性を発見するのです。

 

わたしはこの映画の評判は聞いていましたが、まだ観ていませんでした。そして最初に2015年のアメリカ・リメイク版を観て、そのあとオリジナルの2008年フランス版を観ました。その経緯での感想ですが、オリジナル版の方が遥に出来がいいです。内容の異常性、不気味さ、痛々しさ、絶望感などのレベルが全然違います。内容も特に後半部分はかなりの違いがあります。より映画的な内容になったリメイク版(良くも悪くもアメリカです)に比べ、より現実的な内容(アメリカ版と比べて)になっているオリジナル版はとにかく救いのないような展開です。前半と後半で大きく展開が異なるところから、前半部分のサスペンス風の評価が高く、後半部分の拷問中心になってから拒否反応が出るという意見も多いですが、マーターズ=殉教者というタイトルからこの後半部分が本題だと思います。ラストはかなり観る人に判断を委ねるようなもので、多くの推測が出ています。後半の拷問シーン、わたしはそれほど壮絶だとは思いませんでした。もっと凄いのかと身構えていたものですから。確かに皮を剥がれたシーンには引きましたけどね。この映画の難しいところは、終盤からラストにかけてを観た人がどう判断するかによって映画の印象が大きく変わってしまうこと。わたしはあの人は殉教者ではない、別の絶望で命を落としたのだと思うのですが、どうでしょうか。

 

監督はPascal Laugier、出演はLucie JurinにMylène Jampanoï、Anna AssaouiにMorjana Alaoui、MademoiselleにCatherine Bégin、The CreatureにIsabelle Chasseです。

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