ディアトロフ・インシデント

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2013年に製作された監督レニー・ハーリンによるアメリカのホラー『The Dyatlov Pass Incident』。別のタイトルは「Devil's Pass」です。1959年に実際に発生したディアトロフ峠事件を元に、そのドキュメンタリー映画を製作するために現地に赴いた5人の体験を描くファウンド・フッテージ・スタイルの映画。実際の事件は1959年2月2日、ウラル山脈北部のホラート・シャフイル山東斜面でリーダーのイーゴリ・ディアトロフを含む9人が不可解な死を遂げました。マイナス30度の中、テントを内側から切り裂いて裸足や肌着のまま外に飛び出した跡があり、多くは凍死。でも数名の遺体には不可解な状況が見られました。2名は頭蓋骨骨折、他の2名は皮膚に傷がないのに肋骨の損傷、1名は舌がありませんでした。さらに何人かの衣服には高い線量の放射能も検出されました。当時のソ連はこの事件の原因を「抗いがたい自然の力」によって9人が死に至った、と結論しましたが、その具体的な内容はいまだにわかりません。

 

心理学を専攻しているオレゴン大学の大学生のホリーはディアトロフ峠事件の研究のために映画学科のジェンセンと彼の友達、音声担当のデニース、登山部のアンディとJPと一緒にディアトロフ峠に向かう事になります。ホリーとジェンセンが共同ディレクターで、JPとアンディは登山のエキスパート、そしてデニースはサウンドのエンジニアです。しかしその後、ロシアでこの学生5人の登山グループが失踪したというニュースが流れます。ロシア政府は彼らが登山中に撮影に使っていたカメラを回収しますが、それを公開するのを断ります。そこでハッカーがその映像をリリースしました。

5人は山に登る前にイブデリという町にやってきます。そこで登山隊員だったものの途中で下山したカラブという人(現在は精神病院に入院)に会おうとしますが失敗。次に麓の町で50年前の救助に参加した女性の話を聞きます。その女性アリアの話によると、現場には11人の遺体があったのでした。この2人多い死体は何かおかしく、さらにその側に機械のようなものがあったのだそうです。登山を開始して最初の夜、どこからか叫び声のようなものを聞きました。そして次の朝、テントの周りに裸足の足跡がありました。異常に大きく、途中から始まって途中で消えています。ジェンセンはイエティではないかと主張しますが、他のみんなそれはホリーが演出のためにやったと思い込んでいました。彼らはその後再び叫び声を聞き、足跡がウェザー・タワーに続いているのを発見します。そのボックスの中にはなんと人間の舌が置かれていたのでした。ジェンセンは高校の頃ドラッグをやったときと音が似ているといい、ホリーも子供の頃に何度もどこかの雪山の夢を見ていました。そしてホリーは雪の裂け目の中から金属製の扉が埋もれているのを発見します。

 

実際に起こった事件にフィクション(色んな人が考えた色んな真相を組み合わせた感じ)を織り交ぜて、結構リアルっぽい感じで仕上げられた良作だと思います。雰囲気が「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」にかなり似ていて、夜のキャンプだとか、舌が発見されるだとか、叫び声のようなものが聞こえるだとかが挙げられますが、実際の事件の発見された事実とそれらが関連付けられる部分が良かったです。救助のための照明弾が当時目撃された光の正体ではないか、とかですね。事件自体がいまだに真相不明なので、この映画ではそれをどのように持って行ったかがポイントになりますが、それなりに良かったかなという印象でした。映画版の真相については、これは色々と賛否ありそうな感じ。ホラーとしてのアイデアは中々いいと思いますが、実際の事件の感じる怖さからするとこの真相はちょっと怖さ半減かな。リアリティ(超自然現象がリアリティか、という問題は棚上げしておくとして)の部分では随分とある方向に突き進んだというところで、薄くなった印象があります。ホラー映画としては派手でいいですけどね。実際これはホラー映画で監督はあのレニー・ハーリンなので、そんなに悪くない楽しめる映画だと思います。ラストもこうなったかあ、という後味の悪いものですからね。5人が行方不明のまま、という冒頭からラストはある程度予想できるんですが、そのもって行き方も注目です。終盤のカメラの(ファウンド・フッテージとしての撮影カメラ)動かし方があまりにも映画的で、その部分が結構気になりました。

 

監督はRenny Harlin、出演はHolly KingにHolly Goss、Jensen DayにMatt Stokoe、J. P. HauserにLuke Albright、Andy ThatcherにRyan Hawley、Denise EversにGemma Atkinsonです。

コメント一覧
コメントする

 

無料ブログ作成サービス JUGEM