ザ・トライブ

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2014年9月に公開されたウクライナのドラマ『Плем'я』です。聴覚障害を持つ10代の若者の寄宿学校を舞台に、そこで行われている組織的犯罪に関わる主人公を描くお話。全編が手話で構成されていて、台詞や音楽もありません。手話に字幕をつけるというバージョンもあるようですが、わたしが観たのは字幕なしのバージョン。ですので身振りや手振り、シーンの状況などによって物語を感じるように観ました。世界各国の映画祭で多くの賞を受賞していて、カンヌ映画祭でも批評家週間部門でグランプリと新人賞、ガン財団普及援助の3賞を受賞しました。

 

セルゲイはとある聾唖の寄宿学校に入る事になりました。しかしこの学校の裏では学校の生徒たちによるグループがあり、彼らは麻薬、売春、強奪を繰り返す集団だったのでした。セルゲイも入って早々グループの見守る中、数名から暴行を受けますが、反対に彼らを痛めつけます。その事から彼らのグループに入る事になりました。基本的に彼らの悪事に積極的に加担する意志はないのですが、勧められるまま手を染めていきます。そんなある時、グループの女性2人がしている売春の最中(トラックの運転手相手です)に耳が聞こえない事からバックしてきたトラックに引かれて斡旋担当のメンバーが亡くなってしまい、セルゲイがその後釜に名乗り出ました。彼は2人の女性のひとりアナに恋心を抱いていました。そこでお金でアナと関係を持つのでした。それから2人の関係は秘密裏に続けられていきます。セルゲイは恐喝のお金をアナに与えていきます。しかしアナにはお金を貯めてイタリアに行くという夢がありました。

 

映画の製作方法が色々な部分で特殊で、まず会話が全て手話。さらに音楽もないので物語は淡々と進んでいきます。暴行などのシーンも特に効果音とかないので静かに行われますし、シーンのカットが結構長いので、部分部分が間延びしているような感じもします。その反面、そういった演出が事実を積み重ねているようなリアリティを感じさせています。特に日本では聾唖の人の犯罪集団なんて物語は中々ないと思いますが、そういった人たちが集団で犯罪を犯すという怖さはまた普通の犯罪とは違う怖さがありました。主人公のアナに対する愛は、相思相愛という訳ではないので一方的(100%片想いという女性がつれないというのでもありません)なものですが、純粋がゆえに暴走する様は見ていて危ない感じがヒシヒシ伝わってきます。淡々と進む物語のなかに静かだけど衝撃的な内容が含まれるという、かなり貴重な経験ができる映画です。

 

監督はMyroslav Slaboshpytskiy、出演はSergeyにHryhoriy Fesenko、AnyaにYana Novikova、SvetkaにOleksandr Dsiadevychです。

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