特捜部Q Pからのメッセージ

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2016年3月4日〜6日付 デンマーク興行成績第1位

 

ここから6週連続No.1となった、デンマークの作家Jussi Adler-OlsensのAfdeling Qシリーズの映画化第3弾で原作でも第3作目の『Flaskepost fra P』です。直訳すると「Pからのボトルポスト」かな。原作の方はさらに2010年に「Journal 64」、2012年に「Marco Effekten」、2014年に「Den grænseløse」、2016年に「Selfies」と刊行されています。原作は北欧で権威のあるミステリー文学賞「ガラスの鍵」賞を受賞しました。映画も大ヒットを記録し、2016年度のデンマークの年間興行成績第1位になっています。

 

カール・マークとアサドが所属する特捜部Qに別の警察部署から事件が回されてきます。退役軍人の男性が浜辺で瓶に詰められた手紙を発見したというのです。その手紙は文字がかなり薄れてしまっていますが、助けてという文字が書かれていました。専門家の助けを借りて、どうやらPのスペルで始まる子供らしいということ、誘拐されて、しかも他にも犠牲者がいたらしいことなどが書かれていました。しかし手紙から推定される7,8年前にPで始まる子供の失踪事件の記録はありません。精神的な疲労から休職していたカールはアサドに職場復帰を求められます。アサドについて捜査を開始していくにつれ、次第にいつもの状態に戻っていくカール。しかし手の振るえや精神的なダメージは今回の事件でも追い討ちをかけていきます。一方デンマークの宗教的なコミュニディで育った兄弟マウダリーナとセームエルは、伝道師のヨハネスから学校の帰り道車で家まで送ってあげるという誘いに乗りそのまま誘拐されてしまいます。彼は姉弟ともその両親とも知り合いだったため、気を許してしまったのでした。幸運にもこの誘拐には目撃者がいて、警察に通報されました。しかしこの地域は「神の弟子」という宗教地帯で、どの家からも捜索願や通報はありません。地元警察から連絡を受けたカールとアサドは、ボトルの手紙の主Pと同じではないかと現地へ向かいます。

 

シリーズ3作目となる今作、わたしは順番に見ていますが、この「Pからのメッセージ」が一番面白いと思いました。このシリーズ、地道な捜査による警察ものですが、事件や犯人が結構異常で、見ていて怖くなります。今作は特に犯人(序盤から犯人の顔が出ています)の異常性が際立っているように思いました。ポスターからもわかるように、今回は宗教及び宗教的な思想が事件に大きくかかわっていて、それは犯人だったり犠牲者(又はその家族)だったりカールやアサドもそれに関わります。細かい複線が多くて、全体的なメッセージもかなり奥が深いように感じました。過去の犠牲者の家族が神罰を怖れて警察に通報しなかったという部分は、わたしにはちょっと理解しがたいものですが、映画に出てくる神の弟子だとかエホバの証人だとかの人たちの思想からはあるのかもしれません。今回はこの宗教のからむ誘拐事件(誘拐といっても犯人は誘拐犯というより殺人鬼です)から身代金の受け渡し、その失敗からの追跡と、全編を通じて展開の激しいドラマです。先が気になる展開がどんどん続いていくので時間が短く感じられました。子供を誘拐してさらに拷問、殺人まで展開する内容なので、デンマークでも15歳以上の指定、さらに15歳未満の子供にはとても恐ろしく感じる内容との評価も出ていました。特にハサミで殺すシーンは凄く痛々しいです(映画では大人でそういうシーンがあります)。展開のスピーディさ、異常さ、登場人物の苦悩の描かれ方など、これまでのシリーズの中で一番ではないでしょうか。

 

監督はHans Petter Moland、出演はCarl MørckにNikolaj Lie Kaas、AssadにFares Fares、Rose KnudsenにJohanne Louise Schmidt、JohannesにPål Sverre Hagenです。

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