湯殿山麓呪い村

映画 comments(0) - こぶたのゆう



1984年に「晴れ、ときどき殺人」と同時上映で公開された、山村正夫原作による同名小説の映画化です。かなり気味の悪い即身仏のミイラとか読経とかを背景に描かれるミステリです。テレビの宣伝で流された「語るなかれ、聞くなかれ」というキャッチフレーズはかなり注目されたようです。作品の舞台となった湯殿山麓は、山形県鶴岡市に現存する場所です。

大学講師で考古学者の滝連太郎は、湯殿山麓のお寺に眠る幽海上人の即身仏の謎を解明するために調査をし、それを掘り起こそうとしていました。そこでそのお寺の筆頭檀家である淡路剛造に資金を出してもらう約束をしていたのでした。その剛造の娘・慶子と連太郎は不倫関係にありました。連太郎には妻子がいるのですが、別れて慶子と結婚するつもりでいます。ところが剛造の元に一通の脅迫状が届きます。そして一緒に送られてきたミイラの手。剛造は何かに怯えるように手紙を燃やしてしまいます。そして連太郎に約束していた資金出資を一方的に断るのでした。その夜お風呂に入った剛造ですが、いつまで立っても出てきません。不審に思ったお手伝いさんが家の人たちを呼びました。鍵はかかっています。そこでガラスを割って中を覗くと、剛造がお風呂に入ったまま、額に短剣を突きたてられて死んでいたのでした。剛造と妻の謡子の兄・道海は若い頃に現在は行方不明の伏原欣作と3人で、疎開して来ていた津島母娘を村八分にして自殺に追いやった過去をもっていました。そして剛造の次に道海まで殺されます。警察は伏原の行方と、自殺した津島親子の残された息子・津島勘治を追うのですが・・・

タイトルに負けないくらい内容もかなりドロドロしています。みんな一癖も二癖もあるような登場人物は坂口安吾の「不連続殺人事件」みたいですし、事件の真相はエラリー・クイーンの「Yの悲劇」のある要素とよく似ています。犯人の動機は横溝正史の「悪魔が来たりて笛を吹く」を連想させますし、私が思うに東西のミステリの名作の要素を、日本の即身仏(ミイラ)という題材で包んでひとつの作品に完成させたものではないでしょうか。謎解きとして見るよりも物語を楽しむという作品です。すごく面白いですが、とにかく救いのないようなラストですので、見終わったあと結構しんどいかも。

 

監督は池田敏春、出演は滝連太郎に永島敏行、淡路剛造に織本順吉、淡路謡子に岩崎加根子、淡路慶子に永島暎子、淡路能理子に仙道敦子です。

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