2016年度 ファンタジア国際映画祭 結果発表

映画祭 comments(0) - こぶたのゆう

 

2016年7月14日〜8月3日にかけてカナダのモントリオールで行われたファンタジア国際映画祭の結果が発表されました。北米最大のジャンル映画祭と謳っているだけあってすごく規模の大きな映画祭で、設定されている賞もかなり多いです。もともとがアジアの映画をメインとする映画祭としてスタートしているので、現在でもアジア映画の占める割合がすごく大きいです。アジア映画に対する注目もアジア以外で行われるジャンル映画祭の中では一番大きいんじゃないでしょうか。2014年と2015年は連続して日本映画の作品賞受賞となりましたが、3年連続の期待はありましたが作品賞は韓国の話題作「釜山行き」が受賞しました。

 

2016年度の勝者は次のようになりました。主なものをご紹介します。

 

CHEVAL NOIR

最優秀作品賞 Train to Busan

最優秀監督賞 黒沢清 "クリーピー 偽りの隣人"

最優秀脚本賞 The Bacchus Lady

最優秀男優賞 Franko Dijak "Goran"

最優秀女優賞 Youn Yuh-jung "The Bacchus Lady"

審査員特別賞 The Lure

NEW FRESH AWARD

最優秀作品賞 Man Underground

審査員特別賞 Some Freaks

SATOSHI KON AWARD

最優秀作品賞 Pysconauts, The Forgotten Children

 

観客賞

欧州・南北アメリカ部門第1位 Hunt for the Wilderpeople

アジア部門第1位       Train to Busan

カナダ部門第1位       King Dave

アニメ部門第1位       Seoul Station

 

CHEVAL NOIR部門の最優秀作品賞と観客賞のアジア部門第1位になった『Train to Busan』は、ソク・ウーは離婚した仕事中毒の男です。彼は自分の母親と娘のス・アンと一緒に暮しています。彼はあまりにも娘と離れていたので娘の誕生日のために任天堂のWiiを買ったのですが、子供の日に彼女にすでにそれを買っていたので娘がすでにそれを持っている事に気付いていませんでした。このかなり気まずい状況を変えるために、彼はス・アンの本当に欲しいものをあげる事に同意します。それは280マイル向こうにある彼女のお母さんの故郷プサンへの旅行でした。そこはソウルから列車で1時間ほどで行けます。ソク・ウーと彼の娘スー・アンはKTXに乗りました。この列車はソウルからプサンまで彼らを運ぶ高速鉄道です。しかしその道中、列車は数名の鉄道乗務員や他の搭乗者を殺すゾンビの群れによってオーバーランしてしまいます。KTXがプサンに向かって疾走する間、搭乗者たちはゾンビたちを相手に生き残るために戦わなければなりません、という韓国のお話。

最優秀監督賞に選ばれた『クリーピー 偽りの隣人』は、元刑事で犯罪心理学者の高倉はかつての同僚・野上から6年前の一家失踪事件の分析を依頼されます。しかし唯一発見された長女の記憶を探るのですが真相は闇の中のままでした。その頃新しい家に引っ越した高倉は、隣に住む西野一家に違和感を感じていました。ある日高倉の家に西野の娘・澪が駆け込んできます。彼女は西野がお父さんではなくて、全くの別人だと打ち明けます、という日本のお話。

最優秀脚本賞と最優秀女優賞に選ばれた『The Bacchus Lady』は、かつては米軍基地の売春婦をしていた65歳のソ・ユンは、今では老人を相手にお金を稼いでいました。彼女は生きているのが辛くて死にたい常連のクライアントを本当に殺してあげることにします、という韓国のお話。

65歳のソ・ユンはバッカス・レディです。かつて米軍基地の売春婦をしていましたが、今ではソウルのハングアウト公園の年老いた人々やクライアントを勧誘しています。ある日彼女は若い少年と出会います。ハーフの韓国人の少年はお母さんと離れ離れになっていました。彼女は知る事のなかった自分の息子の事を思い出し、この少年の面倒を見る事にしました。

最優秀男優賞に選ばれた『Goran』は、おそらくお酒によって体調の悪いゴランはクロアチアのタクシーの運転手をしています。客は稀で、裕福な工場のオーナーである義理のお父さんに印象付けるのは十分ではありません。ゴランは完璧な敗者のように見えます。野心の欠如と酒癖の悪さによって、彼は魅力的な子供の頃から盲目の赤毛の妻リナと何をしたのでしょうか? 雪に覆われた牧歌的な雰囲気の中で、ハイランダーたちの燃えるような性格は表面化し衝突します、というクロアチアのお話。

審査員特別賞に選ばれた『The Lure』は、シルバーとゴールデンはミュージシャンの家族の仲間になった2人の人魚です。彼らのバンド「The Figs and Dates」はワルシャワのナイトクラブで毎晩演奏していました。しかしすぐにこの姉妹がポーランドの首都の至る所に現れるというニュースが流れ、そして観客と彼らの友だちは何も考える事ができないように見えます。シルバーが若いミュージシャンに夢中になっている間、ゴールデンは彼女の殺人衝動と人肉への欲望のコントロールにもがき苦しんでいます、というお話。

NEW FRESH AWARD部門の最優秀作品賞に選ばれた『Man Underground』は、元地質学者と最近離婚したウィレム・コーダはUFO陰謀説を唱えています。彼はアメリカ政府が地球外生命体を隠している事を確信しています。そこで彼はこれらの陰謀説を唱える人々を政府のために地質学者として働いていた間にエイリアンと遭遇した彼の経験についての低予算映画を作るために参加させようとします、というアメリカのお話。

審査員特別賞に選ばれた『Some Freaks』は、一つ目の少年と太りすぎの少女の魅力的なロマンスの発展の物語ですが、大学に行き始めた後彼女の体重が減っていった時、彼らの関係は夢にも思わなかった壊滅的な方法でテストされます、というアメリカのお話。

SATOSHI KON AWARD部門の最優秀作品賞に選ばれた『Pysconauts, The Forgotten Children』は、同名のグラフィック・ノベルを原作としたアニメ。島での生活は大事故が起きた後は同じではなくなりました。お母さんと継父から疎外され、10代のディンキーは彼女の友だちをも望まなくなり暗闇に逃げ込みました。しかし彼女はとらえどころのないバードボーイと一緒でなければここを去りたくありません。村人たちに軽蔑され警察に追われ、2人は森の奥に隠れ密かに彼の殺されたお父さんの謎の行いを続けます。彼には噂がありました。彼は悪魔に憑りつかれているというのです、というスペインのアニメ。

観客賞の欧州・南北アメリカ部門の第1位に選ばれた『Hunt for the Wilderpeople』は、反抗的な都会っ子のリッキーは児童福祉サービスによって育ての親ベラおばさんと意地の悪いヘックおじさんの住んでいる国に送られます。ベラが突然亡くなってしまい、児童福祉の人はリッキーをケアホームに戻す事にしました。そこでリッキーはヘックおじさんと一緒に茂みの中に隠れ、児童福祉の人が家に駆けつけたときにはもぬけの殻。そこで事態をヘックがリッキーを誘拐したと結論を下してしまいます。2人は生き乗るためにお互いの違いを乗り越えなければなりません、というニュージーランドのコメディ。

カナダ部門の第1位に選ばれた『King Dave』は、麻薬密売人で自称キングのデイブは騙されやすいかもしれません。しかし彼は無知ではありません。知らない男が彼のガールフレンドの踊っていて彼女のお尻をつかんでいるのを見たとき、彼は自分自身の手に性戯を取りました。暴力、失恋と裏切られた友情の中で、デイブは下に落ちていくスパイラルの中より駆け引きをしようとします、というケベックのお話。

アニメ部門の第1位に選ばれた『Seoul Station』は、Suk-gyuは家出した娘を必死に探しています。彼はお金も労力も厭いません。彼の懸命の捜索の結果娘を発見することができました。彼の連絡先のひとつが娘を発見したと知らせてきたのです。しかし彼女がソウルの中心部で売春婦として働いているのを知った時、喜びは衝撃に変わります。Suk-gyuは娘に近づくために客を装うと考えました。しかし待望の恐ろしい再会の直前にソウル駅の近くでパニックが起こりました。その場所はホームレスで有名なところでしたが、彼らの1人が死んだその日に生き返り、他の者を襲い食べ始めたのです。アンデッドの人喰いは野火のように広がり、当局はシティ・センターを封鎖し、この大流行が終結するまで待とうと決めます。誰1人いなくなるまで…というお話。

朝鮮王朝最後のプリンセスの物語 『The Last Princess』

日記 comments(0) - こぶたのゆう

 

2016年8月5日〜7日付の韓国興行成績で第1位になったのは、朝鮮王朝最後のプリンセス徳恵翁主を描く『덕혜옹주』です。タイトルはずばり「惠翁主」。公開2週目の「仁川上陸作戦」と僅差ではありましたがこちらが1位、同じく初登場となった「Suicide Squad」にも勝ちました。同名の小説が原作となります。徳恵翁主は李氏朝鮮国王・大韓帝国皇帝高宗の王女で、韓国読みはトッキェオンジュ。日韓併合後の1912年に生まれ、12歳で日本の学習院に留学。1930年に伯爵、宗武志に嫁ぎます。朝鮮人ということで宗家側は難色を示しますが、この家は経済的に困っていてこの縁談を受けるしかありませんでした。それでも武志は妻となった徳恵を愛していて2人の仲は良かったんですが長女出産後から先天的に精神に疾患を持っていたものが悪化。夫の実家から離婚を余儀なくされます。1962年に療養のため韓国に戻り、このとき韓国の国籍を取得しています。1989年4月21日に76歳で亡くなりました。原作が韓国側の視点での物語で実際フィクションも入っているようなので、事実として映画を受け止めるのは問題があるようです。実際は記録がかなり少ないようで不明な点が多いのですが、分っている部分でも改変があるそうです。時代が時代なだけに難しい内容ですね。

 

日本による植民地統治が始まった朝鮮。高宗皇帝は皇女・徳恵翁主を溺愛していましたがその高宗が亡くなってしまいます。まだ幼ない皇女はそれを日本による「毒殺」だと確信しました。日本の圧力でお母さんとも離れ離れにされ、日本に留学させられます。そして宋家へ政略結婚、夫は日本に新しい妻を馴染ませようとしますが彼女は心を開きません。そんな中1人娘を出産。彼女は娘を朝鮮の呼び名「ジョンヘ」とし、朝鮮皇室の礼儀作法などを教えます。しかし大きくなった娘は「わたしの名前はマサエ」とお母さんと距離を取るようになるのでした。

 

監督は허진호、出演は덕혜옹주に손예진、その子供の頃に신린아、少女の頃に김소현、김장한に박해일、복순に라미란です。

2016年度 ロンドン・フライトフェスト映画祭がもうすぐ開催

映画祭 comments(0) - こぶたのゆう

 

2016年8月25日〜29日にかけてイギリスのロンドンでフライトフェストが行われます。2000年からスタートした映画祭で今年で17回目を迎えます。前回までの会場が改装工事のために、今年はロンドンのVue CinemasとShepherd's Bushに移動します。イギリスでも非常に大きな映画祭のひとつで、上映される映画も結構多いです。部門は大きく分けてメイン・スクリーム部門とディスカバリー・スクリーン部門があって、メイン・スクリーン部門の方は2014年に「The Babadook」2015年に「Nina Forever」、ディスカバリー・スクリーン部門の方は2014年に「Coherence」2015年に「喰女」が作品賞に選ばれました。

 

ロンドンは説明不要なくらい有名な町でしょう。今年はイギリスがEU離脱という国民投票の結果となりましたが、もともと4つの国がひとつにまとまっているイギリスなので国によってその意向が違うようでスコットランドなどは再び独立の動きが活発になりました。それと同じようにイングランドでは離脱が多かったんですが、その中でもロンドンは残留派が多く、ロンドンとしての独立という話まで飛び出しています(シンガポールの成功例が念頭にあるようです)。ここはニューヨークと並んで世界をリードする金融センターでもあって、域内総生産はヨーロッパ最大です。

 

2016年度の出品作品は次のようになっています。

 

HORROR CHANNEL SCREEN

My Father Die / Cell / Let Her Out / From a House on Willow Street / The Chamber / Mercy / They Call Me Jeeg Robot / Pet / White Coffin / The Rezort / Abattoir / The Master Cleanse / 貞子vsかやこ / Beyond the Gates / Blood Feast / Downhill / Johnny Frank Garret's Last Word / Broken / Realive / 31 / The Windmill Massacre / Monolith / Director's Cut / Red Christmas / Train to Busan

 

DISCOVERY SCREEN

Through the Shadow / Enclosure / Ibiza Undead / Night of Something Strange / The Devil's Candy / Francesca / Another Evil / Population Zero / Benavidez's Case / The Similars / Road Games / Hostage to the Devil / Lost Solace / The Unraveling / Attack of the Lederhosen Zombies / Offensive / The Love Witch / Knucklebones / Cruel Summer / House of Salem / The Creature Below / The Unkindness of Ravens / Hallow's Eye / Fortitude / Fury of the Demon / Beyond the Walls / Karaoke Crazies / The Duke Mitchell Party Event / Let's Be Evil / Egomaniac / Crow / Bad Blood: The Movie / Facing His Fears / SiRen / The Neighbour / We Are the Fresh / Blood Hunters / Man Underground / Shelly / Found Footage 3D / Paranormal Drive / Here Alone / The Evil in Us / The Killing of America

 

この映画祭の面白いところは最優秀デスだとか最優秀ゴア、最優秀スケア(恐怖)、最優秀サイコ、最優秀モンスターなどホラーやスリラーの一部分に特化した賞が設定されているところ。なかなかマニアックですねえ。

2016年8月19日〜21日付 全米映画興行成績 Top 5

日記 comments(0) - こぶたのゆう

 

2016年8月19日〜21日付の全米映画興行成績 Top 5です。

 

今週全国規模での公開となる新作は3本。クレイ・アニメーションで有名なライカの新作『Kubo and the Two Strings』が3260館で、実在の武器商人を描く戦争コメディの『War Dogs』がほぼ同じ3258館、名作のリメイク『Ben-Hur』が3084館での公開と、新作はほぼ同じ規模(しかもそれ以上の規模での作品は2本しかありませんでした)でこの週末は展開の読めない状況でした。その結果は「Suicide Squad」が2070万ドルと低い数字ながら3週連続のNo.1を達成、6位まで僅差で並ぶという内容でした。大人のアニメ「Sausage Party」が1530万ドルで2位をキープ。新作のトップはジョナ・ヒルとマイルズ・テラー共演の『War Dogs』の3位、続いて『Kubo and the Two Strings』の4位、そして『Ben-Hur』の5位でした。

2016年度の年間興行成績はディズニーが1位から3位を独占、4位に20世紀フォックス、5位にワーナーと続いて、スタジオ別ではディズニーの独走状態はそのままです。反対に2位のワーナーが足踏み状態で3位の20世紀フォックス、4位のユニバーサルが背後まで迫ってきました。

 

1(1) Suicide Squad      2070万ドル

2(2) Sausage Party      1530万ドル

3(-) War Dogs         1430万ドル

4(-) Kubo and the Two Strings 1260万ドル

5(-) Ben-Hur         1135万ドル

 

さて来週ですが、比較的小粒な作品の上映になりそうです。2900館での公開を予定しているのは『Don't Breathe』。ロッキーは投げやりで家族としての生活を放棄した両親と共に住んでいます。彼は妹と一緒にこの機能不全の家族を抜け出そうと考えていました。ロッキーは彼女にボーイフレンドと駈落ちするためにはいくらかのお金が必要であり、ある盲目の男の家に押し入ろうと説得します。そこで兄妹の友人アレックスと3人で真夜中その家に侵入、彼らはその盲目の男が彼らが思っていたほど助けを必要としておらず、すぐに3人はネコがネズミをもてあそんで殺すゲームの中にいる事を知ります、というリメイク版「死霊のはらわた」の監督によるホラーです。2000館での公開を予定しているのはロバート・デ・ニーロ主演による実在するボクサー、ロベルト・デュランを描くドラマ『Hands of Stone』です。パナマのスラム街で育ったデュランが世界チャンピオンに登りつめるお話。この人はモハメド・アリと並ぶボクサーと評価されています。2200館での公開を予定しているのはジェイソン・ステイサムの「メカニック」の続編『Mechanic: Resurrection』。前作「The Mechanic」は2011年に公開されて3位を記録しています。今回はそれよりも少ない規模での公開。ホラー大好きのわたしとしては、来週末のNo.1ヒットは『Don't Breathe」に期待大です。

第4回 恐怖のこぶた映画祭 結果発表

映画祭 comments(0) - こぶたのゆう

 

第4回恐怖のこぶた映画祭の結果発表です。

 

今回は競争部門に

呪怨 パンデミック / スリーピング・タイト 白肌の美女の異常な夜 / 地下に潜む怪人 / スプラッター・ナイト 新・血塗られた女子寮 / 呪い襲い殺す / ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ / 永遠の子供たち / オオカミは嘘をつく / パラサイト・クリーチャーズ / ザ・ゲスト / 死霊高校 / インシディアス 序章 / ピラニア3D / トゥルースorデア 密室デスゲーム

の14作品を選びました。意外にも前回日本のホラー映画が入ってなかったので今回は「呪怨」シリーズを1作品、その他スペイン映画やイスラエル映画、オーストリア映画とそこそこ国際色豊かになっていたように自己満足しております。アメリカ映画の中では劇場で話題になった映画以外で結構良作があったのが良かったです。その中で今回わたしが選んだグランプリ作品は、

 

グランプリ ファイナル・ガールズ

 

でした。日本でもタイトルは「ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ」で劇場未公開。こういった話題作ではないところから良作が発見されるところが醍醐味でもあります。比較的小さめのホラー映画祭やファンタスティック映画祭ではすでに幾つかの賞を受賞している映画だけに、80年代のホラー映画の定番をコメディに変えてしまう、しかも物語自体は至って真面目というすごく面白い作品でした。主演のタイッサ・ファーミガは「記憶探偵と鍵のかかった少女」でもすごい演技を見せましたが、今回も素晴らしいです。お姉さんのヴェラ・ファーミガも「死霊館」シリーズでホラーに出演していますし、姉妹そろって良作のホラーに出ていることになりますね。

フェノミナ

映画 comments(0) - こぶたのゆう



1985年1月31日にイタリアで公開されたダリオ・アルジェント監督のホラーです。昆虫と会話が出来る少女が巻き込まれる殺人事件のお話。もともとは監督の実の娘を主役にと考えられていて、その娘フィオレ・アルジェントは冒頭に登場する少女役で出ています。当時15歳。でも結局主役となったジェニファー・コネリーは撮影当時14歳でした。

スイス北部のチューリッヒ郊外でデンマークからの旅行者ベラはバスに乗り遅れてしまいます。周りは深い山に囲まれた場所。しばらく歩いてようやく一軒の家を見つけます。その家を訪ねていくと、突然ベラは襲われてハサミで手を突き刺されます。そして彼女の首が滝つぼへ落とされたのでした。
有名な映画俳優ポール・コルビノの娘ジェニファーは、チューリッヒ郊外の寄宿制女子学校に入ることになりました。ジェニファーには不思議な力がありました。それは昆虫とお話ができることだったのです。
同じ頃この付近で連続して発生している連続殺人事件を追っている警察は、昆虫学者のマクレガー博士に死体の経過時間の調査を依頼していました。かなりの腐乱状態でしたが、死体についている蛆虫の状態から死後の経過時間が判明できるのです。
寄宿舎にやってきた夜、ジェニファーは変な夢にうなされていました。女性が殺される夢です。そしてジェニファーは夢遊病のようにフラフラと起き上がり、寄宿舎の中をうろつきます。そしてジゼラという少女が殺されるところを目撃したショックでバルコニーから転落してしまい、通りかかった2人の若者によって車に連れ込まれます。でもロックがはずれ、車から脱出したジェニファーは土手の下へと放り出されてしまいました。そこにマクレガー博士と一緒に暮らしているインガというチンパンジーが現われて、それがきっかけでマクレガー博士と親しくなります。そしてマクレガー博士はジェニファーの不思議な能力を知るのでした。
そんな時、ジェニファーのルームメイト、ソフィーが何者かによって殺されてしまいます。

ヨーロッパの森に囲まれた静かな田舎を舞台に、その水面下で行われる殺人事件。綺麗な景色とむごい殺され方という対照的な演出は、ヨーロッパ映画の雰囲気がよく出ています。アルジェントお得意の、人知れず狂気に飲み込まれていた犯人(まわりの人たちは普通の善良な市民だと思っていたみたいな)という設定です。これは『サスペリア2』なんかが同じ系列ですね。当時日本でもこの映画はヒットして、類似のゲームまで発売されました。スーパーファミコンで出た『クロックタワー』の主人公ジェニファーは、明らかにこの映画から来ています。
この映画にはいくつかバージョンがあるんですが、なかでも1997年に発売された『フェノミナ インテグラルハード完全版』はカットされた4分が追加されて115分の上映時間になっています。オリジナルのイタリア公開版は109分、日本公開版は111分、ベルギー公開版は105分、アメリア公開版は82分と多くのヴァリアントがあります。ちなみにオープニングに出てくる女の子は監督の実の娘フィオーレ・アルジェント。

主人公のジェニファーが虫とコンタクトできる、というファンタジーのような設定はわたし的にはマイナスなんですが、その他の部分、人知れず殺人事件が行われている、死体に付着している蛆虫から犯人を割り出す、犯人の動機なんかはすごく好きな展開です。この人知れず普通に見えていた人が実は異常な殺人鬼だったというのはアルジェントの十八番で、今回はそれが特にスマートに仕上がっていると思いました。ただその分大人しめに感じる事にもなります。イタリア人監督でイタリア映画なんですがオリジナルは英語。主人公のジェニファー・コネリーの声を聞くには英語版となります。イタリア語は吹き替えです。

 

監督はDario Argento、出演はJennifer CorvinoにJennifer Connelly、Frau BrücknerにDaria Nicolodi、Rudolf GeigerにPatrick Bauchau、Professor John McGregorにDonald Pleasence、Vera BrandtにFiore Argentoです。

サスペリアPART2

映画 comments(0) - こぶたのゆう



1975年3月7日にイタリアで公開されたダリオ・アルジェントのスリラー『Profondo rosso 』です。
イタリアン・ホラーの代名詞ダリオ・アルジェントの中でも最高傑作と言われる事も多いこの作品ですが、世界的大ヒットとなった「サスペリア」の後に日本で公開されたこともあり、日本でのタイトルは『サスペリアPART2』となってしまっていることは有名です。でもこの映画、「サスペリア」とは全く関係のない、それどころか「サスペリア」よりも前に作られて公開されている単独の映画で、タイトルも「深紅」という名だけあって、赤が強調された演出となっています。

ヨーロッパ超心霊学会では超能力というものは全ての動物が持っているもので、当然人間も持っているという学説が発表されていました。しかし人間は言語とともにその能力が廃れてしまったのです。しかしごく一部の人間はその能力を失わずに持っているのでした。そして今日ここに来ているヘルガ・ウルマンという女性もその1人。彼女は人の思考や過去を見る力を持っていました。ところが会場の中にいる1人から恐ろしい殺意を感じます。しかもその人物はすでに殺人を犯しているというのです。ヘルガが叫ぶ中、聴衆の1人が会場を出て行きました。ヘルガは会場の人にはいいませんでしたが、実はその人物が誰かはわかっていました。そこでレポートにまとめて詳細を後で連絡するといって自宅へと帰っていったのでした。
その夜ヘルガが電話をしていると、どこからともなく子供の歌声が聞こえてきました。そしてドアのベルが鳴ります。ヘルガはドアの外から異様な殺意を感じるのですが、そのドアが突然開きナタのような大きな包丁が彼女に向かって振り下ろされたのでした。
アメリカ人ピアニストのマークは、ものすごく酔っ払っている友人のカルロと町でバッタリ出会いました。あまり飲み過ぎないように注意して別れたとき、通りの向こうのアパートの上の方で女性が叫ぶ声を耳にします。見上げると女性が助けを求めていて、後から何者かが彼女に襲い掛かっていたのでした。慌ててその部屋へと向かったマークは、そこに惨殺されたヘルガを見つけるのです。そして窓の外から茶色のコートを着た男が足早に去っていくのが見えました。
警察が到着したあと事情聴取を受けたマークですが、彼は部屋の様子に違和感を感じていました。どうも廊下に並べられた絵がひとつ無くなっているように思うのです。その現場にやってきた女性新聞記者のジャンナはマークに接近し、事件の様子を聞こうとします。翌日の新聞に彼が犯人の姿を見たと書かれたマークは危機を感じ、ジャンナと協力して事件の真相を調べる事になります。学会に出席していたジョルダーニから子供の歌についての怪異の話を聞いたマークは、その本を書いた女性を訪ねていくのですが、彼が到着した時にはすでに殺害されていました。お風呂に入れた熱湯に顔を入れられ焼け爛れた姿となって。

今まで見たアルジェント作品の中ではやっぱり一番面白いと思います。同じ人間が殺人鬼ものの「シャドー」とか「フェノミナ」と比べても完成度が高いです。廊下の絵が無くなった謎はとくに有名ですが、真相を知ってからこの序盤のシーンをもう一度見るとびっくりします。幽霊屋敷の本から子供の書いた絵、そして犯人が頻繁にかける子供の歌などから犯人に近づいていくというのは論理的にはちょっとどうかなあと思う部分もありますが、本の絵と実際の屋敷の姿から無くなった部屋に気付くところだとか、ダイイング・メッセージが現場の状況によって消えてしまうことなど小道具が結構充実してて、見所が多いです。そして一番のポイントは終盤になって気付く現場の状況での不可能性、このシーンは鳥肌が立ちそうなくらいゾクゾクする瞬間ですね。すごく素晴らしい映画だと思います。
記者のジャンナ役をしているダリア・ニコロディは1970年の「Uomini contro」でデビューしていますが、この作品でアルジェント作品にデビューしました。のちに公私にわたるパートナーとなるんですが、この人はオカルトに造詣が深く、続く「サスペリア」を企画しました。出演はしていないんですが脚本にも参加していてアルジェントがホラーの帝王と呼ばれるまでに多くの貢献をしています。アーシア・アルジェントのお母さんでもあります。

監督はDario Argento、出演はMarc DalyにDavid Hemmings、Gianna BrezziにDaria Nicolodi、CarloにGabriele Lavia、GiordaniにGlauco Mauri、カルロのお母さんにClara Calamaiです。

シャドー

映画 comments(0) - こぶたのゆう



1982年10月28日にイタリアで公開されたダリオ・アルジェント監督のスリラー。当時イタリアでは18歳未満禁止と指定されて劇場公開されたようです。そして1986年にテレビ放送された際には暴力的なシーンをカットしたバージョンとなりました。でもイタリアではかなりヒットしたようで、年間の16位になっています。「サスペリア」が赤青黄緑といった原色を過剰なくらい強調した演出だったのに比べ、こちらの方はもっとオーソドックスな作りとなっています。どちらかというと「サスペリア」より前の作品「サスペリアPART2」(前なのにパート2)の方のジャンルですね。このパート2はオリジナルタイトルを「Profondo Rosso」といって続編でもなんでもないです。この「シャドー」ですが、イタリアでの原題は『Tenebre』(闇)でした。

ニューヨークに住む人気ミステリー作家のピーター・ニールは新作「暗闇」のプロモーションのためにローマにやってきます。同じ頃その小説を万引きした女性が自宅で何者かにかみそりで喉を切られて殺されました。さらにその小説を破いて口の中に詰めるのです。警察は犯人はピーターの小説になんらかの関係があると見てピーター本人に会いに行きます。そこでピーターに犯人から電話がかかってきました。それはこれからさらに人を殺すという予告でした。ニールはプロモーションのため書評家ベルティのTVショーに出演、彼はニールの新作について犯人の異常性について指摘するのでした。さらにローマでニューヨークにいるはずの婚約者ジェーンを目撃します。
その夜ニールが泊まっているホテルの管理人の娘が迷い込んだ自宅で被害者の写真や切り抜きなどを発見します。なんと彼女は犯人の家に入り込んでしまったのでした。そして鉢合わせた犯人に殺されてしまいました。ニールは本格的に調査を開始、犯人は自分のいるホテルの電話番号や知り合いの事に熟知している人間で、尚且つ動機を持つ者です。そこで容疑者として浮上したのが書評家ベルティでした。そこでローマでの臨時アシスタントのジャンニとベルティの家に忍び込むのですが、そこで目撃したのは頭を斧で割られて殺されるベルティだったのです。

1982年の作品にしては結構残酷なシーンが多いです。腕を斧で切られて血が壁に飛び散るシーンや、頭に斧が突き刺さるシーンなんか、「サスペリア」よりも目を覆うシーンが多かったです。そういった直接目を覆いたくなるシーンが多い反面、「サスペリア」のようにジワジワくる不安というか恐怖の演出はあまりなかったです。ニールが主人公なんですが、被害者とニールとの間に距離があって、犯人がニールに襲い掛かってくるといったシーンがないためだと思います。ただドラマ部分としての人間関係が結構ドロドロしてて、ニールの婚約者ジェーンがニールのエージェントのブルマーと恋仲になっていたり、そのニールは秘書のアンといい雰囲気になってしまったりと四角関係みたいな展開になっていきます。その辺が面白かったです。時代だからなのか、アルジェントだからなのかわかりませんがちょっと演出が過剰なところもありますが、わりと面白かったですね。今回は昔の事件も含めて12人もの死者が出てしまう、というかなりサービス的(?)な作品でした。

監督はDario Argento、出演はアンにDaria Nicolodi、ピーターにAnthony Franciosa、ジャンニにChristian Borromeo、ティルダにMirella D'Angelo、ジェーンにVeronica Lario、ブルマーにJohn Saxonです。

サスペリア

映画 comments(0) - こぶたのゆう


1977年のダリオ・アルジェント監督の有名なイタリアのホラー『サスペリア』です。イタリアでは197年2月1日に公開されました。アメリカ人の少女がドイツの一流ダンス学院に転校してきて巻き込まれる魔女の集団を描いた映画。

アメリカ人のバレーの学生スージー・バニオンはドイツのミュンヘン、フライブルグにやって来ました。着いてすぐに学院の玄関で一人の少女が何か意味不明の言葉を叫びながら嵐の外へ飛び出していきました。その言葉は「秘密のドア、アイリス、青いのを3回まわす」というもの。時刻は夜の11時。学院ではスージーの事は聞いていないと言われ門前払いをされました。その夜は町に泊まることになりました。次の日改めて学院で顔合わせをします。そこには警察も来ていてました。前の日の夜(スージーが帰ったあと)外に飛び出していった女生徒パットが友達の家でその友達と共に何者かに殺されたのです。学院には生徒の他厳しい主任教師のタナー、盲目のピアニストのダニエル、ルーマニア人の下男パブロ、理事長代理のマダム・フランクとマダムの甥のアルバート。
スージーは初日早々気分が悪くなり倒れてしまいます。校医の診察後食事は流動食とぶどう酒(血を作るため)となりました。スージーはサラという女生徒と仲良くなりました。サラはパットとも友達でした。ある夜一部の部屋の天井から蛆虫がたくさん落ちてくるという事件が発生。屋根裏の倉庫に貯蔵してある食料が腐っていて蛆虫が大量発生していたのでした。そこでその日は全員がバレエの練習用のホールで寝る事になりました。そこでサラとスージーは異様ないびきを聞くのです。それは前に一度聞いた事のある理事長のいびきでした。次の日タナーに聞いても理事長が帰ってくるのはまだ少し先との事。しかしサラは理事長がこっそり帰って来ていると確信します。その日ダニエルの盲導犬がアルバートに噛み付いて怪我をさせるという事件が起こりダニエルはクビになってしまいます。さらにその夜ダニエルは自身の盲導犬によってかみ殺されるのでした。
次々に人が死んでいく事に恐怖を覚えたサラはスージーに訴えますが、スージーはなぜか異常に眠くサラの話を満足に聞けません。でもサラが教師たちの足音がかっきり9時半に帰宅するという事から、足音の方向で外には出ていないということだけはサラに告げることができました。それに気付いたサラは足音の数を数える事で教師たちの行く場所を特定する方法を思い出しますが、次の夜何者かによって殺されてしまいます。

すごく有名なこの映画、とくにアルジェントの原色のライト(赤や青や黄色や緑)が過剰なくらいの照明となっていて、独特な別世界を作り出しています。そこにバレエの学院内という特殊な環境を作り出して、現実ではない不思議な空間を作り出していると思いました。音楽もアルジェントといえばゴブリンと言われるほどアルジェント映画の多くの音楽を手がけたイタリアのプログレッシブ・ロック「ゴブリン」の、どちらかというとおどろおどろした音楽ではなくて、神経を逆なでされるような過激な音楽が鳴り響くといった演出で、こういう音楽の使い方をしたホラーは最近では見かけないなと思います。もう37年も前の映画になりますが、今見ても傑作ですね。70年代だからなのか、それともアルジェントの演出がそうなのか演技がちょっと過剰ですが、それも味があっていいです。

もともとThomas De Quinceyの小説「深き淵よりの嘆息」(Levana and Our Ladies of Sorrow)をモチーフに脚本化されたもので、この作品ではエレナ・マルコスという非常に強力な魔女が登場するというだけで、その具体的な正体は明かされませんでした。次の「Inferno」で「3人の母」という本から3姉妹の魔女というお話が展開する事となり、その前の作品『サスペリア』とあわせて3姉妹の物語という大きなくくりとなりました。「サスペリア」に登場するHelena MarkosはMater Suspiriorum(溜息の母)、「インフェルノ」に登場するMater Tenebrarum(暗黒の母)、「La Terza madre」に登場するMater Tenebrarum(涙の母)となります。

監督はDario Argento、出演はSuzy BannionにJessica Harper、SarahにStefania Casini、Miss TannerにAlida Valli、Madame BlancにJoan Bennett、MarkにMiguel Boséです。

ダリオ・アルジェント

日記 comments(0) - こぶたのゆう

 

ダリオ・アルジェントは1970年代から80年代にかけてひとつの時代を築いたイタリアの映画監督でありプロデューサーです。「サスペリア」や「フェノミナ」などのホラーですごく有名な人です。もともと映画評論家からスタートしてその後映画の脚本を手がけます。そして1970年に映画監督デビューとなる「歓びの毒牙」を発表。その後71年に「わたしは目撃者」「4匹の蠅」「ビッグ・ファイブ・デイ(これは歴史もの)」を発表してサイコスリラーを連発したことから当時イタリアのヒッチコックと呼ばれました。その次の1975年の「サスペリアPART2」がシッチェス国際ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞、さらに1977年からの「サスペリア」「インフェルノ」で魔女ものでもヒットを連発します。1982年からは「シャドー」「フェノミナ」と再びジャッロものに帰ってきて現在までホラーやスリラーを中心に活動を続けています。なおダリオ・アルジェント最高傑作と言われる「サスペリアPART2」に出演しているダリア・ニコロディは公私に渡るパートナー関係を持っていて、2人の間には後に女優となる娘アーシア・アルジェントがいます。アーシアにはお姉さんのフィオーレ・アルジェント(「フェノミナ」のオープニングで殺されてしまう女の子を演じていました)がいますが、お母さんが違います。

 

監督業の他にプロデューサー業も行っていて、自身監督作品以外にもジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」やランベルト・ハーヴァやミケーレ・ソアヴィによる「デモンズ」シリーズにも関わっています。

わたしの中ではアルジェント作品にランキングをつけるとすると、やっぱり1位は「サスペリアPART2」(Profondo Rosso)。犯人探しのミステリーとしても犯人のサイコ的な怖さとしてもあっと驚く仕掛けでも群を抜いていると思います。それに続くのはどれかなあ、と考えると、やっぱり「サスペリア」でしょうか。終盤まで姿を見せない親玉やあの有名なゴブリンの音楽など見所満載です。第3位は「フェノミナ」と言いたいところですがわたしは「歓びの毒牙」を推します。「フェノミナ」は雰囲気はいいんですが動物の絡みがわたしには今ひとつの印象でした。

無料ブログ作成サービス JUGEM