40年前の中国アニメの大幅変更リメイク 『哪吒之魔童降世』

日記 comments(0) - こぶたのゆう

 

2019年8月9日〜11日付の中国興行成績で第1位になったのは、1979年に上海美術映画製作所が製作したアニメ「哪吒鬧海」を大幅に変更してリメイクされたアニメ『哪吒之魔童降世』です。この映画は7月26日から公開されて、7月26日〜28日付で6億5000元を記録して2位に5倍以上の差をつけて1位になりました。ここから3週連続のNo.1、11日付でトータル35億元越えとなりました。30億元越えは中国製作のアニメとしては史場初です。

 

天と地のオーラは巨大なエネルギーの混合真珠を生み出します。元始天尊はこれを真珠と魔法の丸薬に精製します。霊珠は周を助ける事になる人間へと転生し、魔法の丸薬は悪魔を生みます。これは人間に災いをもたらします。元始天尊は黙示録の呪文を開始し、3年後に雷によって魔法の丸薬を破壊する事になるでしょう。仙人・太乙真人は神様の命を受け、「霊珠」を李靖の息子の哪吒に託します。しかし、人に転生し人々を助け殷王朝最後の紂王を倒すべき「霊珠」と、魔王として生まれる「魔丸」がすり替わってしまいます。本来なら英雄となるはずだった哪吒は大魔王となってしまいます。英雄の心を奥底にもついたずら好きの哪吒は、人々の誤解と雷の到来に面して、本当の悪魔になってしまうのでしょうか。彼はどこに向かっていくでしょうか。

 

監督は、声の出演は少年哪吒に囧森瑟夫、儿童哪吒に吕艳婷、敖丙に瀚墨、李靖に陈浩、殷夫人に绿绮です。

全米映画興行成績 Top 5 / 8月2日〜4日付&8月9日〜11日付

日記 comments(0) - こぶたのゆう

 

2019年8月2日〜4日付の全米映画興行成績 Top 5

今週末全国規模で公開された新作は1本。4253館で公開された『Fast & Furioous Presents: Hobbs & Shaw』はワイルド・スピードシリーズのスピンオフで10作目となります。タイトルが示すように今回の主役はドゥエイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサム。そのオープニングは、本編ほどの大ヒットではないですが、それでも6000万ドルは立派だと思います。

1(-) Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw 6003万ドル

2(1) The Lion King 3852万ドル

3(2) Once Upon a Time in Hollywood 2001万ドル

4(3) Spider-Man: Far from Home 790万ドル

5(4) Toy Story 4 734万ドル

 

2019年8月9日〜11日付の全米映画興行成績 Top 5

今週末全国規模で公開された新作は4本。3735館で公開された『Dora and the Lost City of Gold』は2000年からスタートしたアメリカの教育アニメ『Dora the Explorer』の実写映画化です。TV版は2000年から2019年までで8シーズンが放送されています。3135館で公開された『Scary Stories to Tell in the Dark』はギレルモ・デル・トロ製作のホラー。子供向けの同名のホラー小説(著者はAlvin Schwartz)の映画化です。2765館で公開された『The Art of Racing in the Rain』は犬の視線から描くお話で、Garth Steinの同名小説を原作としたコメディ・ドラマ。2745館で公開された『The Kitchen』は1970年代を舞台に夫たちが逮捕され残された妻たちがビジネスを仕切り始めるというクライム・ドラマ。

同じような規模の映画が4本も公開されて、分散した結果か各映画が全体的に低い数字になってしまいました。全体的にはそんなに低いという訳ではないんですが。

1(1) Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw 2526万ドル

2(-) Scary Stories to Tell in the Dark 2091万ドル

3(2) The Lion King 2020万ドル

4(-) Dora and the Lost City of Gold 1743万ドル

5(3) Once Upon a Time in Hollywood 1165万ドル

2019年7月19〜21日・26〜28日付 全米映画興行成績 Top 5

日記 comments(0) - こぶたのゆう

 

2019年7月19日〜21日付の全米映画興行成績 Top 5です。

今週末全国規模で公開された新作は1本。1994年に公開されて年間2位(1位はフォレスト・ガンプ)になったディズニーのアニメの実写版『The Lion King』です。1億9177万ドルで1位になりました。これはディズニー・ライブ・アクション・リイマジニングス(実写化シリーズ)としては2017年の「Beauty and the Beast」を上回る記録となりました。あちらは1億7475万ドルでトータル5億ドルいきました。ひょっとしたら「The Lion King」はそれを上回る数字を出すかもしれません。「美女と野獣」が大人向けな雰囲気になっていましたが、こちらはファミリーで楽しめますから。

 

1(-) The Lion King

2(1) Spider-Man: Far from Home

3(2) Toy Story 4

4(3) Crawl

5(5) Yesterday

 

2019年7月26日〜28日付の全米映画興行成績 Top 5です。

今週末全国規模で公開された新作は1本。3659館で公開された『Once Upon a Time in Hollywood』は、1969年に起ったシャロン・テート殺害事件をブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオ共演で描いたお話。監督はクエンティン・タランティーノ。ビートルスの「ヘルター・スケルター」が事件に影響を与えた、という話もあります。4108万ドルという大きな数字を記録しましたが、さすがに公開2週目の「The Lion King」が7662万ドルだったので2位になりました。

 

1(1) The Lion King 7662万ドル

2(-) Once Upon a Time in Hollywood 4108万ドル

3(2) Spider-Man: Far from Home 1245万ドル

4(3) Toy Story 4 1045万ドル

5(4) Crawl 406万ドル

2019年7月5〜7日付・12〜14日付 全米映画興行成績 Top 5

日記 comments(0) - こぶたのゆう

 

2019年7月5日〜7日付の全米映画興行成績 Top 5です。

「Avengers: Endgame」のすぐ後から続く、マーベル・シネマティック・ユニバースの最新作となる『Spider-Man: Far From Home』が4634館で公開されました。その結果は9257万ドルの1位。前作「Spider-Man: Homecoming」が1億1702万ドルでしたから、少し数字を落とした感じです。マーベル・シネマティック・ユニバースはこの映画でフェーズ3が終了となりました。フェース4の情報は既に出てきていて、2020年に「Black Widow」「The Eternals」、2021年に「Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings」「Doctor Strange in the Multiverse of Madness」「Thor: Love and Thunder」が予定されています。さらにはフェーズ5まで情報が出てるみたいです。

 

1(-) Spider-Man: Far from Home 9257万ドル

2(1) Toy Story 4 3386万ドル

3(3) Yesterday 1005万ドル

4(2) Annabelle Comes Home 945万ドル

5(4) Aladdin 751万ドル

 

2019年7月12日〜14日付の全米映画興行成績 Top 5です。

今週末全国規模で公開された新作は2本。3170館で公開された『Crawl』は巨大ハリケーンに襲われる最中、巨大ワニまで登場するというお話。もう1本、3050館で公開された『Stuber』は配車サービスのドラバーが乗り込んできた刑事と一緒に事件を解決するハメになるコメディ。ともに興行的には今ひとつの結果となりました。

 

1(1) Spider-Man: Far from Home 4535万ドル

2(2) Toy Story 4 2094万ドル

3(-) Crawl 1200万ドル

4(-) Stuber 822万ドル

5(3) Yesterday 670万ドル

第11回 恐怖のこぶた映画祭 結果発表

映画祭 comments(0) - こぶたのゆう

 

第11回恐怖のこぶた映画祭の結果を発表します。

 

今回は次の14作品を競争部門に選びました。

ジェーン・ドゥの解剖 / 都市伝説 長身の怪人 / グリーン・ルーム / 哭声/コクソン / デイライツ・エンド / ホーンテッド・サイト / ロング・ウィークエンド / ディープ・サンクタム / Zアイランド / ゾンビ・サファリパーク / フッテージ 惨劇までの13日間 / 飢えた侵略者 / REVENGEリベンジ / アナベル 死霊人形の誕生

 

そして結果はこのように決まりました。

 

グランプリ ジェーン・ドゥの解剖

特別賞   グリーン・ルーム / ディープ・サンクタム

 

グランプリに選んだ『ジェーン・ドゥの解剖』はなんだか尋常じゃない事になってる感がすごく出てて、見ていてドキドキする事ができました。おおよそ何が起こっているかは映画内で判断はできますが、その正体となるとはっきりとは分らないまま終わります。その謎の感じもすごくよかったです。

特別賞に選んだ『グリーン・ルーム』は人間VS人間という内容のお話ですが、ホラーというよりはサバイバル重視の内容です。ですが、先の読めない展開(わたしにはそうでした)と、それなりなリアリティには好感が持てました。同じく特別賞に選んだ『ディープ・サンクタム』は、グランプリになるほどの傑作ではないものの、そのキラリと光るものがわたしを捉えて離さない何か、がありました。これをアメリカが作ったら、ありきたりのものになっただろうな、という気はします。日本版タイトルが良くないですね。

変更のお知らせ

日記 comments(0) - こぶたのゆう

今回の恐怖のこぶた映画祭のコンペティション部門に予定していた「エミリー 悪夢のベビーシッター」は諸事情から次回へと変更しました。その代わりに「REVENGE/リベンジ」が入ります。お盆間近という事もあり、怖いお話は今が旬です(日本では)。明日は結果発表となります。第11回目のグランプリはどの映画になるでしょうか?

REVENGE / リベンジ

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2017年に製作されたフランスのアクション・ホラー『Revenge』です。

レイプされて殺されそうになった女性が復讐するというお話です。2017年のトロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門でプレミア上映されました。富川国際ファンタスティック映画祭のグランプリ、カルガリー・アンダーグラウンド映画祭の最優秀作品賞、モンスター・フェストの最優秀長編国際映画作品賞、ノクターン・マドリッド国際ファンタスティック映画祭の最優秀監督賞と最優秀女優賞、シッチェス国際ファンタスティック映画祭の最優秀監督賞を受賞しました。主人公の女性ジェンはアメリカ人なので映画は英語をメインで進みますが、3人の男性同士の会話ではフランス語が話されます。

 

ジェンはフランス人のお金持ちリチャードと不倫の関係にあるアメリカ人女性です。2人はリチャードとその仲間スタンとディミトリがハンティング旅行に使っている人里離れた砂漠地帯にある家にヘリでやってきました。しかし到着予定より早くスタンとディミトリがやって来てしまいます。2人はリチャードに妻がいることを知っています。3人の男とジェンはお酒とダンスの楽しい夜を過ごしました。その時リチャードからペヨーテ(そのまま噛んだり煎じて飲んだりすると幻覚など精神的効果がある植物)を預かったので自分のペンダントに入れておきました。次の日の朝、リチャードはいなくてスタンと話すジェンですが、そのスタンが彼女の言い寄ってきます。そして強引に彼女を襲います。途中ディミトリがやってきますが、彼は彼女を助けようとはしませんでした。ジェンはそのままスタンにレイプされてしまいます。リチャードが帰ってきて様子がおかしいことから事の次第をスタンが白状します。リチャードはなんとか事を収めようとしますがジェンは承諾しません。そこで彼は腹を立ててジェンを殴ります。彼女は裸足のまま外に駆け出しました。事態が悪い方向に進んでいる事を悟った彼ら3人はジェンを崖のところまで追い詰めます。リチャードはすぐにヘリを呼ぶからと彼女を説得にかかりますが、安心した彼女を崖の下に突き落としてしまいます。崖の下では木の枝にお腹を貫かれたジェンの死体がありました。しかし彼女は死んではいなかったのです。

 

レイプされて殺されそうになった(実際瀕死の重傷を負います)女性が復讐をするというお話です。現実的かどうかは置いておいて、こういう展開のお話は結構あって、ひとつのジャンルになっています。ジェンが生きている事を知って3人の男性がその口をふさごうと彼女を追跡します。2人はバイク、1人は車でそれぞれが銃も持っています(そもそもハンティングに来ていますから)。ジェンがその中の1人ディミトリに見つかって痛めつけられている時、反撃に出て彼を殺したところから、銃も手に入れる事が出来ます。この場所にはヘリで来ているので逃げる事も助けを呼ぶことも出来ません。助かるためには相手を殺さないといけない、という状況がきちんと出来ています。殺すところ事態はそれほどでもありませんが、それとは違うところでこの映画はかなりグロテスクです。例えばお腹を枝が貫通して重傷のジェンが刺さっている枝を抜いて傷口を焼くシーンとか、スタンが足に深く刺さったガラスの破片を手で引っこ抜くシーンとか、見てて目を背けたくなります。リアリティという面では色々と気になるところも多いです。例えばジェンがお腹を枝が(結構太め)貫通するというかなりの重傷を負います。枝を抜いて傷口を焼く時には、持っていたペヨーテを食べて痛みを無くすという手段がとられますが、それ以降がそれほど重傷ではないように彼女が動き回る事ができるとか。終盤はそんなことがあった事まで忘れそうなほどの動きっぷりで、これなら落ちたときお腹を刺されたというのが無いほうがいいのではとも思います。さらに砂漠地帯ですが、ここで狩りって、どうなんでしょう。わたしはその辺詳しくないですが、ハンティングなら森の方がいいのではとも思います。そんなこんなはありますが、この映画はそういう些細な(!)部分は気にせず、復讐するヒロインを見てスカッとするのがいいのかなとも思います。

 

監督はCoralie Fargeat、出演はJenniferにMatilda Lutz、RichardにKevin Janssens、StanleyにVincent Colombe、DimitriにGuillaume Bouchèdeです。

アナベル 死霊人形の誕生

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2017年8月11日〜13日付 全米興行成績第1位 3500万ドル。

 

「アナベル」シリーズとしては第1作目に続く2番目のオープニング(1作目は3713万ドル)ですが、トータルで1億ドルを越えて、3作中最大のヒットとなっているシリーズ2作目『Annabelle: Creation』です。このトータルは本編「死霊館」を含めても遜色ない数字です。第1作目の前日譚となっていて、冒頭にアナベル人形の製作風景が描かれます。

 

1945年、人形職人のサミュエルと妻のエスターは教会からの帰り道、車のパンクでタイヤ交換を余儀なくされていました。そこにやってきた1台の車。しかし部品が飛んでしまったのを拾おうとした娘のビーが轢かれて亡くなるという悲劇が起きます。

12年後、夫妻は孤児院を自宅で始める為に、移転先を探していたシスターのシャーロットとその孤児の女の子たちを受け入れました。草原の中に佇むとても大きな家に喜ぶ少女たちですが、ポリオを発症して足が不自由になっているジャニスはなにやら不穏なものを感じていました。ある夜目を覚ましたジャニスは部屋のドアの下から「Find me」と書かれたメモが差し入れられるのを見ます(生前ビーがお父さんと同じ遊びをしていました)。メモを追ってとある部屋に入ったジャニスは、その部屋の小さな収納スペースの中に大きな少女の人形を発見しました。この家ではおかしな事が起っていましたが、それは次第に他の子たちやシスターにまで始まります。そしてジャニスはビーの部屋(最初に導かれた部屋)で恐ろしいビーの霊を目撃、魂を寄越せと迫られます。

 

「死霊館」シリーズや第1作目の「アナベル」はそれなりの怖さはあるものの、やっぱり戦うホラーというアメリカ定番の展開が多く、一部の映画は高く評価できたものの、全体的には普通のホラー映画(良くも悪くも)という印象でした。この映画もそれなりには怖く出来てきていて、やっぱりアメリカ的な展開もありますが、基本的には一方的にやられるという「呪怨」風の展開になっていました。怖がらせ方も結構良かったと思います。主人公と思われていた女の子が乗り移られたような展開になって、先が読めないのも良かったです。ただラストがちょっとあっけなかったかな。実際のアナベル人形は(サイトで見れます)映画のよりももっとかわいらしいものですが、映画的に怖い雰囲気にするためにあんなデザインにしたんでしょうかね。わたしは人形はあまり好きではなくて(可愛らしい動物系とかキャラクター系はいいんですが、リアル系は全然ダメ)、映画のアナベル人形なんかタダであげるっていわれてもいらないですけどね。エンドクレジットの後に出てくるシーンが「アベンジャーズ」風になっているのは面白かったです。

 

監督はDavid F. Sandberg、出演はSister CharlotteにStephanie Sigman、JaniceにTalitha Bateman、LindaにLulu Wilson、Samuel MullinsにAnthony LaPaglia、Esther MullinsにMiranda Ottoです。

飢えた侵略者

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2017年に公開されたカナダのホラー『Les Affamés』です。国際タイトルは『Ravenous』。Netflixが権利を取得しました。カナダといっても製作はケベックなので、フランス語で製作されています。カナディアン・スクリーン・アワードでメイクアップ賞、ファンタスポルトでグランプリ、ジュートラス賞で最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀音響賞・最優秀メイクアップ賞など10個の賞を、ノクターナ・マドリッド国際ファンタスティック映画祭で最優秀FX賞、トロント国際映画祭で最優秀カナダ長編映画賞などを受賞しました。

 

レーシングドライバーが女性とキスをしているときにこちらをじっと見つめている女性がいます。突然その女性はキスをしていた女性に噛みついていきました。

初老のレアルはゾンビになった妻に足を噛まれ、さらに息子たちに追いかけられて森の中に逃げました。あわやという所でティキュルという名の少年のライフルによって命を救われます。セリーヌは車の音楽でゾンビを誘い出しナタで殺します。とある家で2人の初老の女性テレーズとポーリーンと出会い、この家にいるようにと勧められました。ヴェズィナとボニンは車を使ってゾンビを殺していました。森の中に佇む母親と娘らしい2人の女性を発見し近寄っていきますが、背後から首を噛まれてしまいました。急いで車に戻ります。車で安全な場所に移動しますが、ヴェズィナは死んでしまいました。彼の知り合いの男の所に行ってヴェズィナの始末をお願いします。男の小屋にはタニアという名の女性が手を縛られていました。彼女は手に怪我をしています。犬に噛まれたと主張しますが真偽のほどは分かりません。外で男の叫び声が聞こえたのでタニアの縄を切って外に出ます。車に乗った所でゾンビに襲われますがなんとか振り切ります。次に農場に立ち寄り、そこでタニアはゾエという名の少女を発見し、こうして3人で行動するようになります。

 

日本での色々な評価を見ると、この映画はかなり賛否両論だなあと思いました。肯定派は間の取り方やゾンビ映画前提でのスタートから余計な説明を全て省いた内容や音楽などを出来る限り無くして静かな感じなどの演出のセンスを評価していますし、否定派の方は多くがストーリーの無さを指摘しています。わたしの観た感想としては、その折衷かなあ。物語の描き方は中々良かったです。ゾンビ映画のお約束はほとんど説明なしにして、最初に襲われるシーンのすぐあとは逃げる人と追いかける人を描くといった風になっています。町や世界がどうなっているか、というシーンは一切なく、全編田舎や森が舞台になっています。描き方で気になったのは、印象的なシーンが次々出てきますが、それがつぎはぎのような印象を受けた事。それぞれのシーンはいいんですが、どうも連続性がないというか、断片を集めたみたいな感じがしました。もうひとつは田舎や森が舞台(特に森でのシーン)ですが、ゾンビが多すぎるような気がします。映画としてはスリリングでいいですが、現実的にちょっと多すぎじゃないかなあ。ストーリーらしいものは確かに無いといっても言いすぎではありません。基本的に複数の登場人物の行く末を淡々と描いていくだけで、劇的な展開もありません。次々に命を落としていく、という流れが続いていきます。だからなのか、音楽を出来る限りなくして現実的な雰囲気を出してるんだと思いました。それでもゾンビ映画としては面白いほうだと思います。

 

監督はRobin Aubert、出演はBoninにMarc-André Grondin、TaniaにMonia Chokri、CélineにBrigitte Poupart、RéalにLuc Proulx、ZoéにCharlotte St-Martinです。

ディープ・サンクタム

映画 comments(0) - こぶたのゆう

 

2014年に製作されたスペインのファウンド・フッテージ・ホラー『La Cueva』です。

ワールド・プレミアは2014年1月のロッテルダム国際ファンタスティック映画祭。監督はこれがデビュー作となるAlfredo Monteroです。マラガ・スパニッシュ映画祭で最優秀作品賞と最優秀女優賞(Eva García-Vacas)と最優秀男優賞(Marcos Ortiz)、ノクターン・マドリッド国際ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞を受賞しました。

 

セリア、イバン、カルロス、ベゴ、ハコの5人の友人たちは、スペインの地中海性部バレアレス諸島にあるフォルメンテーラ島の美しい島巡りのバカンスに向かいます。彼らはここで数日間の楽しい日々を過ごす事を期待していました。カルロスはSNSにこの旅をアップするためにカメラでこの旅行の様子を撮影しています。カルロスとイバンはこの旅行が初対面でした。この旅行はみんな他の人には内緒で来ています。ベゴは彼氏と別れたところでした。そのベゴはイバンといい雰囲気になっていきます。みんなハメを外して騒いでいます。崖の上にテントを張っていたのですが、崖の横の方に洞窟があるのを発見します。ハコが探検してみようと言い出し、みんなも面白そうだと同意しました。ほんのちょっとの探検なので、彼らは懐中電灯だけ(1人水筒を持っています)を手に中に入りました。中は狭くてよつんばいじゃないと進めないくらいです。すぐに行き止まりだろうと思っていたのですが、思いのほか穴は深く、中は真っ暗な状態です。穴は複数に広がっていき、迷路は右に右にと進んでいけば迷わないとの考えから、彼らは右の穴に進んでいきました。すると前方からただならぬ悲鳴が… それはドッキリだったんですが、ベゴはすっかり怯えてしまいました。そこで帰る事にするのですが、目印にしていた柱は見えず、彼らはこの迷路の洞窟の中で迷ってしまったことに気付きます。

 

「La Cueva」(The Cave)というタイトルですが、日本では「ディープ・サンクタム」というタイトルでDVDになっています。当然2011年のパプア・ニューギニアの地下洞窟に閉じ込められる映画「サンクタム」から取られているようですが、この映画と同じように洞窟に閉じ込められて謎の怪物に襲われる「ディセント」との兼ね合いからこの映画の評価が低いように感じます。わたしは反対にサバイバルとはいえホラーまではいかない「サンクタム」、完全にモンスターとの戦いとなっていた「ディセント」の評価自体がそれほど高くなかったので、これらの映画と比較してマイナス、という感想にはなりませんでした。反対にそういう要素のない、出てくるのは人間で、その極限状態が描かれる(「サンクタム」は脱出への道が描かれるのに対し、この映画は極限状態の人間の怖さに焦点が当てられているように思います)こちらの方が面白く感じました。ファウンド・フッテージで描かれるということは、リアリティが感じられる分、極限状態なのに撮影している余裕があるのか、という心理的な矛盾も持つことになってしまいます。それに関しては、カメラのライトがかなり明るいという点で解決しているように思いました。ただバッテリーが(電池を含め)ずっと無くならないというのはさすがに気になりましたけど。結構ツッコみどころはある映画ですが、わたしが特にこの映画を評価したいのは飢えと渇きを凌ぐ(生き残る)方法として取られたのが、誰か1人を犠牲にしてその人を殺して食べるという部分です。日本でも江戸川乱歩の「闇に蠢く」でこの人を食べるというのが語られますが、状況として考えられる設定ながら、そのタブー性なのか残虐性からなのか描かれにくい内容にストレートに向かったのは評価できると思います。かなり荒削りですが、その衝撃度はかなりのものだと思います。最後のシーンもいいですね。

 

監督はAlfredo Montero、出演はセリアにMarta Castellote、カルロスにXoel Fernández、ベゴーニャにEva García-Vacas、ハコにMarcos Ortiz、イバンにJorge Páezです。

無料ブログ作成サービス JUGEM